バックナンバー

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京都産業保健総合支援センター メールマガジン 230号 2020/9/1

        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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      当センター主催 産業保健研修会について

     9月開催研修会  受付中
     10/1~10/15開催研修会   9月15日(火)受付開始
     10/15~10/31開催研修会  10月1日(木)受付開始
     お申込 → https://www.kyotos.johas.go.jp/training

 感染状況等により、受付開始日の変更、研修の中止をさせていただくことがございます。何卒ご理解、ご了承のほどお願い申し上げます。

※当センターが実施する「産業医研修会」について、付与できる単位は「生涯研修」のみとなります。
「基礎研修」を受講される方は、日本医師会の研修会情報をご覧ください。
 → http://jmaqc.jp/sang/designated_training/index.php?start=50

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◇ 京都産業保健総合支援センター ホームページ情報 ◇
1)【更新】日本産業衛生学会 職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド
2)厚生労働省 職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト
3) 厚生労働省 石綿障害予防規則等の一部を改正する省令等の施行について
4)「働く高齢者のための安全衛生管理セミナー」のご案内
5)「第8回がん就労を考える会」オンラインセミナーのご案内
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◇ 新型コロナウイルスの対策について ◇
    産業保健相談員(産業医学)  森口 次郎

 新型コロナウイルス感染症に関して4月に発出された緊急事態宣言が5月下旬に解除されてから通常の事業を再開する事業場が増えて、産業医など産業保健スタッフに対して質問が寄せられることが増えているのではないかと思います。その中で、私は「マスクとフェイスシールドはどちらがよいか?」、「オフィスの仕切り板の高さはどれくらいがよいか?」などと細かい点についての質問が多い印象を持っています。仕切り板については、理化学研究所や神戸大などのチームが次世代スーパーコンピューター「富岳」を用いて、頭の高さまである仕切り板が望ましいことを報告していましたが、これも含めて現時点で医学的に根拠が明確に示されていないことが多く、産業保健スタッフとして回答に苦慮されることがあるのではないかと思います。

 このような質問に対して、私は担当する事業場が該当する業種の「業種別ガイドライン」を参考に、広い対策を意識して助言するように努めています。例えば、事務職場では「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を参考に、①感染予防対策の体制づくり、②体調不良時の自宅待機ルール策定、③テレワークや時差出勤などの推進、④就業中の身体的距離(2mまたは1mとマスク着用など)の確保、⑤執務エリアのみならず休憩・休息スペースなどの清掃や換気の励行、⑥手洗いや消毒の励行、⑦部外者の事業場内立ち入りのルール策定、⑧感染者が確認された場合の対応の事前検討、など幅広い対策を講じて(あまり細かいことにこだわらず)リスク削減に努めるように助言しています。このガイドラインに沿っていれば、十分か否かも分かりませんが、細かい点に目が向きすぎて大きな抜け穴を作らない助けになるのではないかと考えています。

 今後、再び緊急事態宣言が発出されれば、嘱託産業医など中小企業を支える産業保健スタッフの事業場訪問が困難となることが予想されます。しかし、中小企業等における産業医など産業保健スタッフの各種業務は、事業場における感染や重症化予防のために重要な役割を果たすものですので、オンライン会議システムを活用するなど、感染拡大防止に留意しながら、その機能をできる限り維持できるように準備しておいていただきたいと思います。それにより、事業場がこの危機を乗り切る助けとなることを期待しています。

 業種別ガイドラインについて

  https://corona.go.jp/prevention/pdf/guideline.pdf

 オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン

  https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/040_guideline1.html

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◇ 更年期障害!?  ◇
    メンタルヘルス対策促進員  三岡 千賀子

先日、「更年期障害」をテーマにした健康番組が放送されていました。

女性の更年期は、閉経をはさんだ前後5年、45歳~55歳の頃。番組の冒頭では、いま55歳の人が21歳のときに男女雇用機会均等法が施行(1986年)され、更年期世代のほとんどがこれ以降に社会に出たこと、45~54歳女性の労働力率は約8割、また、アンケート調査の結果として、更年期障害の症状を理由に昇進を辞退したことがある(50.0%)、辞退しようと考えたことがある(17.3%)を合わせて約7割が昇進に後ろ向きであることが紹介されました。女性管理職を増やすことは国の課題であり、この状況は大きな損失であること、必ず終わりが来る更年期障害が理由で仕事を辞めたり、キャリアアップを諦めたりすることはもったいないと伝えていたことに興味を持ちました。

女性の更年期障害は「主観的な病気」で、症状がつらくて日常生活に支障をきたす状態が更年期障害だそうです。

更年期障害の症状は、のぼせ、ほてり、発汗/冷え/だるい、疲れやすい/眠れない/クヨクヨ・憂うつ/頭痛・動悸/肩こり・関節痛/めまい・耳鳴り/物忘れ、記憶力の低下/膣の乾燥、性交痛など。

間違われやすい病気は、甲状腺の病気(バセドウ病・橋本病)/うつ/関節リウマチなど膠原病/メニエール病/貧血/五十肩など。

女性の更年期症状の要因は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少・ゆらぎ、なりやすい性格(完璧主義、責任感が強いなど)、環境のストレス(育児・介護+仕事のストレス、環境の変化など)。

エストロゲンのゆらぎを小さくするためには、栄養バランス、運動、睡眠に注意し、自分のための「ホッとする」「楽しめる」時間をつくること、アンチエイジングより「ウェルエイジング」で上手に年齢を重ねることが大事。我慢せず、つらい時には専門家を頼ること。まずは、婦人科に相談。女性ヘルスケアに特化した日本女性医学学会認定「女性ヘルスケア専門医」が紹介されていました。

一方、「疲れがとれない」「意欲がわかない」などの症状があらわれる男性の更年期障害は、男性ホルモン(テストステロン)の低下によるため、40歳代以降いつの年代でも起こりうるそうです。テストステロンは「社会性ホルモン」とも呼ばれていて、年齢よりも生活習慣や社会との関わりが深く影響し、自己実現や社会での評価や貢献度でもテストステロンの値は変わり、かなり個人差があると伝えていました。

テストステロンの低下による症状は、

身体の症状:筋力低下、関節痛、筋肉痛、異常発汗、ほてり、肥満、頻尿など。女性の更年期障害と似た症状や、男性特有の症状(性欲の減退など)。

心の症状:健康感の減少(毎日調子がちょっと悪いなぁといった感じ)/興味や意欲の喪失/眠れない/不安、うつ症状/集中力・記憶力の低下など。

テストステロンの低下を放置していると、病気のリスクが高くなり、

中性脂肪やコレステロールの代謝悪化、内臓脂肪や皮下脂肪が増えることによる肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化。

血液の流れを良くする働きや記憶をつかさどる脳の海馬を活性化する働きの低下による心筋梗塞、狭心症、脳卒中、認知症。

相談できる診療科は、泌尿器科。メンズヘルス外来、男性更年期外来など。

(NHKきょうの健康「更年期対策」より)

そういえば、数年前の当センター事例検討会では、うつ病と思っていたら更年期障害だったという事例がありました。

うつ病も更年期障害も、専門医を受診することに「抵抗がある」ことがあるかもしれません。

メンタルヘルス不調者への声かけにおいては、「かかりつけ医」に繋ぐことをすすめることがあります。「健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師」(日本医師会)がいると心強いですね。

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◇ 令和2年度両立支援コーディネーター基礎研修開催のご案内◇

※新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、今年度の集合形式での研修は中止し、オンライン形式での研修開催を予定しております。

 研修日程等の詳細につきましては、8月下旬から9月上旬に機構ホームページ上に公開いたしますので、ご確認いただきますようよろしくお願いいたします。

 → https://www.johas.go.jp/tabid/1830/Default.aspx

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◇ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇
メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

 ・管理監督者教育への講師派遣
 ・若年労働者教育への講師派遣
 ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
 ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
 ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に関する支援

 詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/mental
 お申込→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/wp-content/uploads/2019/06/mental-s.pdf

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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇

当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
取り組む事業場の方からの相談に応じています。
https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
 ・京都大学医学部附属病院  9月は随時に変更しております。
 ・京都府立医科大学附属病院 9月は随時に変更しております。
 ・宇治徳洲会病院      随時
 ・市立福知山市民病院    随時
 ・京都市立病院       随時
 ・京都医療センター     随時
 ・京都第一赤十字病院    随時
 ・京都岡本記念病院     随時
 ・京都第二赤十字病院    随時
 ・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター  随時

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◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/about
◆相談のご案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/consultation
◆図書・教材のご案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/material
◆産業保健新着情報◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/archives/news
◆メールマガジン(バックナンバー)◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/mailmagazine/back-number
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メールマガジン配信のお申込み、お断り、お問い合せ、ご質問等は
京都産業保健総合支援センターまで
○MAIL:info@kyotos.johas.go.jp
○TEL :075-212-2600 FAX : 075-212-2700
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発 行 人 :松井 道宣   編 集 人 :古澤 稔正
編集協力 :産業保健相談員・メンタルヘルス対策促進員・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp