バックナンバー
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京都産業保健総合支援センター メールマガジン264号 2023/7/3
発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp/wp
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当センター主催 産業医研修会ついて
7月開催研修会 受付中
8月~9月開催研修会 7月4日(火) 受付開始予定
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複数お申込や、キャンセル待ち、キャンセルが簡単にできるように
なりました。
申込完了メール(自動)を受信されたことにより受付完了となります。
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*セミナー・研修の詳細・お申込み
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*日本医師会の産業医情報(資格更新の特例措置、研修会等)
→ https://www.sangyo-doctors.gr.jp/
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◇ 京都産業保健総合支援センター ホームページ情報 ◇
1)厚生労働省 事業場における労働者の健康保持増進のための指針の一部
を改正する件
2)厚生労働省「2022 年度版健康スコアリングレポート」発行について
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◇ 「健康経営」への取組み ◇
産業保健相談員(労働衛生工学)桑村 明男
以前の当コラムで「健康経営」について書かせていただきました。
その際に、「健康経営」に実際に取り組むにはどのようなアクションを起こせばよいのかとして、3つの課題を提案致しました。
1.ルールづくり
2.環境の整備
3.意識づくり
の3点でした。
1.ルールづくりについては、従業員が健康診断やストレスチェックを確実に受診できるルールを作り、それを周知・徹底する。また、ジムに通うといった健康活動を補助するルールを整えることでした。
2.環境の整備については、健康に配慮したオフィス、あるいは作業場作りでした。
3.意識づくりについては、従業員が健康に意識を向けるように働きかけ、自ら健康になるためのアクションを起こせる「意識」を養うことでした。
この提案の後、このような課題を推進することで健康経営づくりを進め、最終的に「健康経営優良法人」の認定も受けたいという企業に対し、一緒に取り組みを進めさせていただくことになりました。以下、その経緯です。
まず、1のルールづくりです。
過去の設問集から健康診断やストレスチェック、さらに運動習慣の定着に向けた具体的な支援等関連する設問をすべて抜き出し、1問ずつ丁寧に現状と比較する作業を行いました。当然、法定項目はすべて実施していましたが、それ以外はまったく出来ていない項目が多く、格差の大きさに愕然としました。
そこで、出来ていない項目に対して、対策を行う場合に、時間のかかるもの、すぐにできるもの、予算が必要なもの、そうでないもの等々複数の項目に分けて取っ掛りを探しました。
その結果、予算不要または少額の予算ですぐにできることと言った負担の少ない取り組み内容が明確になり、ここから順次取り組んでいくことになりました。
さらに担当の役員にお願いして予算を取っていただき、年度をまたいで実施した大きな改善事例もあります。これはしんどかったです。
大切なことは、ルール作りですから、取り組んだ内容のすべてを職場のルールとして定着させなければなりません。そのために各職場を回って説明したり、文書を配布して周知に努めました。
第2の取組みは、環境の整備です。
本社のオフィスは従前より問題はないと思っていたのですが、喫煙率を下げるための取組みなど、支社も含めてまだまだ遅れていたので上記1の取組みと関連しますが、喫煙に関するルールを遵守するよう安全衛生委員会で決議し全社に通達しています。
第3の取組みは、意識づくりです。
ここは定期健康診断前の受診促進活動、さらに健診後の2次健診受診の徹底等、従前より行っている活動の再徹底を行うことで充分ではないかとの意見もありましたが、女性従業員や高齢従業員特有の健康課題等に関する取り組みの中で、まだ充分でない項目があるのではないか、女性従業員や高齢従業員の意識作りがまだ充分できていないのではないかとの意見も出て再度見直しを進めることになり、勉強会や面談などを経て意識作りの一端を担うことが出来ました。
その結果、2021年より健康経営優良企業として認定を受けることができました。
【桑村相談員 過去のコラム】
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/archives/staff/staff-5172
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◇ こころの「よもやまな話し」 ◇
メンタルヘルス対策促進員 岩澤 正明
早いもので7月になり、折り返し地点を通過しました。私たちの生活に関わる今月の「7」の数字にまつわることを挙げてみます。ラッキー7、七福神などや映画では007、七人の侍がヒットしました。七つの習慣もベストセラーの書籍で有名。香辛料の七味唐辛子や無病息災を願った七草粥は身近なものです。七転八起という言葉が好きです。「何度失敗してもくじけず、立ち上がって努力すること」という意味ですが、人生には浮き沈みが多いと捉えれば、嫌なことが7つあっても、良いことが8つあると考えることです。嫌なことがあったときや失敗したときは、辛いですが、この言葉を思い起こし次には良いことが必ずあると信じることにしています。辛い仕事を依頼されたときは準備から仕事が終わるまで「しんどい」のですが、やり遂げた後の達成感は疲労感を上回ることが多いと思っています。仕事を着手する前に、終わった後のささやかな楽しみを考えておくと、気分が和らぐのではないでしょうか。「頑張った自分へのご褒美」も良く耳にしますが、頑張れる秘訣の一つでしょう。7月7日は七夕です。世界平和が共通の願いなのは疑わないことです。一方、人間の希望や欲望は無限大。健康で、ごく普通の生活が送れることが幸せなこととは思っていながら、大きな夢を追いたくなるのも正直な気持ちです。
【おしゃべりの効用】
色々な方との会話で心が和むことは、誰しも経験していることではないでしょうか。「話す」の語源について鎌倉時代の宇治拾遺物語に言葉を発するという意味の「はなす」として用いられていて、「話す」の語源は「放す」ということのようです。会話で、気持ちや思いを「はなす」のですが、それが「思いを放つ」ことであり「心を放つ」こととなり、ストレス発散にも繋がるわけです。
対面で話すことができなくても、言語が違っても、声を発することができなくても、最新のハイテクのツールなどが会話の手助けしてくれる時代になりました。頼りになる強い味方が増えたものです。「はなす」ことが、活力の源になるわけで、こころの栄養は「おしゃべり」から得られるのではと思い、多くの方との会話を大事にしています。
【一日一生】
辞書に記載されている四字熟語ではありません。最近、読んだエッセイで「一日一生(いちにちいっしょう)」の言葉が気になり意味を,調べてみました。「一日は貴い一生なので、これを空費してはならない」が一つ目、「今日を一生のように生きよ、明日はまた新しい人生である」が二つ目、「一日一日を全生涯と思って生きなさい」が三つ目です。今日が終われば新しい明日が始まるということです。過去は振り返らないで、今日一日を大事にしようという前向きな意味が込められている言葉であり、いい響きがありました。忙しく追われる日々ですが、気持ちを落ち着けて「一日を大事に」を思い起こしながら過ごしていきたいものです。
【メンタルヘルス対策(相談窓口)】
昨今のメンタルヘルス対策は、行政機関や関係機関、事業場など各方面からの予防対策のPR・周知、地道な支援活動、事業場の自主活動などが推進され、理解が深まってきていると思われます。一方、職場でのメンタルへルス問題は、初期には潜在化している面があり、顕在化したときには大きな問題になっていたケースも見受けられます。そうした状況の中で、各事業所の総合的なメンタルヘルス対策の中で、相談体制の確立が重要と考えます。相談窓口に「気軽に早めに相談」ができることは大事なことで、早期発見・早期対応に繋がります。「駆け込み寺」的に相談できる場所は労働者の安心に繋がります。事業所訪問時にメンタルヘルスの問題はありますか?と尋ねると「ありません」と回答されることがあります。相談窓口についてお聞きすると、設置していませんと残念な回答。メンタルヘルス対策として潜在的な問題を吸い上げ、対応することが大切なことは前に述べたとおりです。未設置の場合は相談窓口の開設検討、設置済の事業場では現状を確認され、必要ならば見直しなどをされては如何でしょうか。
メンタルヘルス対策に関するお問い合わせなどは、下記へお気軽にご相談下さい。
メンタルヘルス対策支援サービス
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/mental
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◇ 遥かな星の過重労働 ◇
副所長 小見 伸雄
皆さん、ウルトラセブンの最終回をご存知ですか。
ウルトラセブン(モロボシ・ダン)は、度重なる宇宙人との戦いに疲れ、直近の健康診断では「脈拍360、血圧400、熱が90度」の状態。まさに過労死寸前となり、セブン上司がM78星雲から迎えにやってきます。
上 司「君の身体は過去の侵略者達との激しい戦いによって多くの
ダメージを受けた。これ以上地球に留まる事は非常に危険だ。
M78星雲に帰る時が来たのだ。」
セブン「元の身体には戻らないのですか?」
上 司「それにはM78星雲に帰る必要がある。」
セブン「今は帰れません。地球に恐ろしいことが起こりそうなん
です。」
上 司「戦ってこれ以上エネルギーを消耗してはならん!M78星雲に
帰ることも出来なくなってしまうぞ。変身してはいかん!」
しかし、セブンは上司の制止を振り切ると戦いに挑み、敵を倒すとM78星雲へと帰っていきます。
さて、テレビドラマとしてはこれで良いのですが、現実社会における管理監督者つまり事業者である「上司」の対応としては非常にマズイと言わざるを得ません。
労働安全衛生法では、やむを得ず長時間における時間外・休日労働を行わせた労働者に対しては、医師による面接指導等を実施し、適切な事後措置を講じることが求められています。
また、一定規模の会社についてはストレスチェックの実施が義務付けられています。
長時間の労働により、疲労の蓄積が認められ、健康上の不安を有している部下が居るにもかかわらず、「無理をするな。」と声を掛けるだけの上司。親切で思いやりのあるような感じもしますが、何の問題解決にもつながらないことはご存知の通りです。
しかし、同じ様な光景が今日も日本各地の会社で繰り返されているのではないですか?
令和3年の厚生労働省の調査では、職業生活でストレスを感じる労働者の割合は53.3%、そのストレスの原因として「仕事の量」をあげているのが43.2%と最も多く、また、脳・心臓疾患に関する事案の労災補償支給決定件数は172件(うち死亡57件)、精神障害に関する事案の労災補償支給決定件数は629件(うち自殺79件)となっています。
私共が相談をお聞きした会社でも、月100時間を超える残業が行われている、有給休暇の取得が一桁台といった会社も珍しくありません。いわんや、面接指導やストレスチェックが行われている会社は・・・。
仕事は大事です。しかし、労働者の健康はもっと大事です。それは会社にとって最も大事なものは、労働者であり、その家族の幸せだからです。これは零細企業の社長であった私の親父の口癖でした。
今回は、セブン上司へのダメ出しのお話しでした。
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産業保健スタッフ研修会のご案内
『新たな化学物質規制に対応した化学物質のリスクアセスメント
「CREATE-SIMPLE法」について』
日時:令和5年7月3日(月) 14:00~16:00 Web(Zoom)
講師:京都労働局 労働基準部長 岸 泰広 氏
※日医認定産業医の単位は付与されません。
『実践力アップセミナー 職場のハラスメント対策向上編
~『これってパワハラですよね』と言われた時に~』
日時:令和5年7月12日(水) 14:00~16:00
場所:アーバネックス御池ビル東館 2階会議室
講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 辰巳 朋子
※日医認定産業医の単位は付与されません。
『若年性認知症の方の就労継続支援共催:京都府』
日時:第1回 令和5年7月22日(土) 14:00~16:00
第2回 令和5年8月 3日(木) 14:00~16:00
第3回 令和5年9月 2日(土) 14:00~16:00
場所:京都府医師会館 3階会議室
講師:京都府医師会 認知症対策担当理事 西村 幸秀 氏
京都府立医科大学大学院精神機能病学 助教 大矢希氏
『産業医活用セミナー』
日時:令和5年8月4日(金) 14:00~15:30 Web(Zoom)
講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 坂田 晃一
※日医認定産業医の単位は付与されません。
『人生100年時代、中高年齢者のモチベーションアップのための支援』
日時:令和5年8月22日(火) 14:00~16:00 Web(Zoom)
講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 加藤 ゆみ
※日医認定産業医の単位は付与されません。
『メンタルヘルス困難例への対応』
日時:令和5年9月6日(水) 14:00~16:00
場所:アーバネックス御池ビル東館 2階会議室
講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 山下 恵子
※日医認定産業医の単位は付与されません。
『効果的な職場巡視と衛生管理者の活性化』
日時:令和5年9月15日(金) 14:00~15:30 Web(Zoom)
講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 桑村 明男
※日医認定産業医の単位は付与されません。
詳細・お申込: https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/training#training02
両立支援コーディネーター基礎研修を受講された皆様へ
メールアドレス、ご所属先など登録情報の変更がございましたら
以下のアドレス宛てにご連絡ください。
労働者健康安全機構勤労者医療課
両立支援コーディネーター養成研修事務局
E-mail: co-ryoritu@honbu.johas.go.jp
*令和5年度の「両立支援コーディネーター基礎研修」につきましては、
引き続きオンライン形式で開催します。
第1回から第3回の日程を公表しています↓↓↓
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx
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◇ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇
メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。
・管理監督者教育への講師派遣
・若年労働者教育への講師派遣
・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
関する支援
詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/mental
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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇
当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
取り組む事業場の方からの相談に応じています。
→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/ryoritsu</p>
*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
・京都大学医学部附属病院 毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
・京都市立病院 毎月第1金曜日(11:00~12:00)
・京都第二赤十字病院 随時
・京都第一赤十字病院 随時
・京都桂病院 随時
・京都医療センター 随時
・洛和会音羽病院 随時
・宇治徳洲会病院 随時
・京都山城総合医療センター 随時
・京都岡本記念病院 随時
・市立福知山市民病院 随時
・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター 随時
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◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/about
◆相談のご案内◆
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/consultation
◆研修・セミナーのご案内◆
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/training-new
◆図書・教材のご案内◆
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/material
◆産業保健新着情報◆
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/archives/news
◆メールマガジン(バックナンバー)◆
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/mailmagazine/back-number
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メールの内容・その他のお問合せ
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/inquiry
TEL: 075-212-2600 FAX: 075-212-2700
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発 行 人 :松井 道宣 編 集 人 :小見 伸雄
編集協力 :産業保健相談員・メンタルヘルス対策促進員・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp/wp