バックナンバー

**************************************************
京都産業保健総合支援センター メールマガジン281号 2024/8/15
        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp/wp
**************************************************

        当センター主催 産業医研修会ついて

     7月~9月開催研修会   受付中
     10月~11月開催研修会 9月6日(金)午前 受付開始

  *セミナー・研修の詳細・お申込み
   → https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/training-new
  *申込完了メール(自動)を受信されたことにより受付完了となります。
   「kyotos.johas.go.jp」ドメインからのメールが受信できるよう
   設定のご確認をお願いたします。 
  *日本医師会の産業医情報(資格更新の特例措置、Web研修会等)
  → https://www.sangyo-doctors.gr.jp/

**************************************************

両立支援に生かしたい!!『就業規則』について考えよう
 ④ 休職制度とは

松田)前回の病気休暇制度に続き、今回は休職制度について考えてみまし
   ょう。

小見)病気休暇と同じく、休職制度についても、休職の定義、休職期間の
   制限、復職等については、労働基準法に定めはありません*1

松田)つまり、職場によって制度の有無が異なるのですね。

小見)はい。休職とは、業務外での疾病等主に労働者側の個人的事情に
   より相当長期間にわたり就労を期待し得ない場合に、労働者として
   の身分を保有したまま一定期間就労義務を免除する特別な扱いを
   いいます*2。言い換えれば、病気で働けなくなった従業員の退職を
   猶予し、傷病の回復を待つことで、労働者を退職から保護する制度
   です。
   優秀な従業員を維持・確保するため、休職制度を設けている事業場
   は多いと感じています。

松田)制度の有無については就業規則をみると良いですね。その就業規則
   ではどのようなことが規定されているでしょう。

小見)以下のような事項です。
   ①休職制度を認める従業員の範囲(正社員のみかパート労働者も認
    めるのか)
   ②休職となる判断基準
   ③休職の手続き方法
   ④休職期間
   ⑤休職期間中の受診義務や会社への状況報告義務について
   ⑥休職中の給与の計算方法や社会保険料の支払いについて
   ⑦復職の判断基準と支援について
   ⑧復職後の待遇について
   ⑨休職期間満了時の取り扱いについて*3

松田)④休職期間はどんなイメージでしょう。

小見)制度設計は事業場の事情によるためそれぞれ異なりますが、一律に
   同じ期間(1年など)の事業場もあれば、勤続年数によって期間に
   幅を設定し(3か月~1年6か月など)、長く勤めている人ほど長く
   休職できる事業場もあります。

松田)健康保険法では傷病手当金は1年6か月貰えることになっています
   が、休職制度の期間と傷病手当金制度の期間は違いますね。

小見)全く異なります。「傷病手当金制度の期間が1年6か月なので、
   1年6か月間は休職できる」と勘違いしないようにしましょう。

松田)⑥休職期間中の給与の計算方法や社会保険料の支払いについて、
   休職中に支払いを求められて、とまどった従業員がいました。

小見)収入・支出に関する情報は不安を伴いますから、休職制度の利用を
   開始する際に、きちんと労使で情報共有し、安心してもらうことが
   大事ですね。

松田)休職についての案内文書があるといいですね。

小見)こういうことが記載されていると良いでしょう。
   1)就業規則上の休職期間は何か月か?その間の給料はどうなるの
     か?
   2)休職中の相談窓口・連絡方法
   3)復職の流れ
     (主治医の診断書の提出、事業場による復職可否の検討、リハ
     ビリ出勤制度など)
   4)社会保険料・住民税など休職中に支払いが必要なお金について
   5)傷病手当金について 

松田)一例として、労働者健康安全機構.職場復帰支援にかかるモデル
   プログラム<補足資料>「休業・復職支援のご案内~休業から復職
   までの流れ」をご紹介します*4

https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/shokubafukki/download/kyuugyou_shiori_fukushoku.pdf

【引用文献】
*1,*2 厚生労働省労働基準局監督課.“モデル就業規則(令和5年7月)”.
モデル就業規則について.2023-07.
  https://www.mhlw.go.jp/content/001018385.pdf (参照2024-8-14)

*3 神奈川産業保健総合支援センター.“治療と仕事の両立のための就業
規則 規程例集”.治療と仕事の両立支援事業.2023-03. https://www.kanagawas.johas.go.jp/files/libs/2397/202304261335406545.pdf (参照2024-8-14)

*4 労働者健康安全機構.職場復帰支援にかかるモデルプログラム
〈補足資料〉休業・復職支援のご案内~休業から復職までの流れ https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/shokubafukki/download/kyuugyou_shiori_fukushoku.pdf  (参照2024-8-14)

※このコラムはホームページ(保健師の窓)からもご覧いただけます 
   → https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/health-nurse

**************************************************
「うさぎとカメ」に思うこと    副所長 小見 伸雄

 残暑お見舞い申し上げます。

 現在、パリでは連日アスリート達の熱い戦いが繰り広げられていますが、今回はスポーツネタをひとつ。

 「うさぎとカメ」という有名な童話があります。足の遅いカメが一生懸命コツコツと走ったことで、足の速いうさぎに勝つことができたお話です。このお話は、カメの努力が美談となっていますが、本当の意味はもっと深い所にあるのではと思います。

 なぜ、うさぎが負けてしまったのか?ということに焦点を当てて見ます。

 うさぎは終始、足の遅いカメのことをバカにしています。カメはそれでもうさぎとかけっこをすることを決めます。普通に考えれば明らかな負け戦といえます。うさぎはかけっこが始まってからも、カメの動向を常に気にしています。そして一生懸命に走っても、自分に追いつきそうもないカメの様子を見て、うたた寝をしてしまいます。そして、目が覚めた頃にはカメはゴールテープを切っていました。

 2人の明暗が別れた原因はどこにあったのでしょうか。

 それは、うさぎは常にカメを見ていて、カメはゴールだけを見ながら走っていたからです。もしも、うさぎがゴールを見ながら走っていたら結果は違ったものになっていたのかもしれません。

 以上のように「うさぎとカメ」には、仕事をする上で大切なことが描かれていると思います。

 人はつい、周りの人と比べて「自分は仕事ができる」と思ったり、「あいつよりできない」と判断してしまいがちです。しかし仕事のゴールは周りと比較する中にあるわけではありません。ゴールに向かい、自分の能力を上げながら、持てる最大限のスペックで挑み続けることが重要だと思います。

 まだまだ暑い日と熱い戦いが続きます。くれぐれも、熱中症と夜更かしにはお気をつけください。

**************************************************
◇ 令和6年度 両立支援コーディネーター基礎研修のご案内 ◇

 今年度の日程が公表されています。
 オンライン形式(動画配信研修+WEBライブ講習)での開催です。
  詳しくは↓↓↓

 https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx

**************************************************

    両立支援コーディネーター基礎研修を受講された皆様へ

  メールアドレス、ご所属先など登録情報の変更がございましたら
  以下のアドレス宛てにご連絡ください。

       労働者健康安全機構勤労者医療課 
       両立支援コーディネーター養成研修事務局
       E-mail: co-ryoritu@honbu.johas.go.jp

**************************************************

◇ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇

  促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

   ・管理監督者教育への講師派遣
   ・若年労働者教育への講師派遣
   ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
   ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
   ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
    関する支援
    詳 細 →https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/mental

**************************************************

◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇

 当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に取り組む事業場の方からの相談に応じています。
  → https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/ryoritsu

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
  ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
  ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
  ・京都市立病院       毎月第1金曜日(11:00~12:00)
  ・京都第二赤十字病院    随時
  ・京都第一赤十字病院    随時
  ・京都桂病院        随時
  ・京都医療センター     随時
  ・洛和会音羽病院      随時
  ・宇治徳洲会病院      随時
  ・京都山城総合医療センター 随時
  ・京都岡本記念病院     随時
  ・市立福知山市民病院    随時
  ・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター 随時

**************************************************

メールマガジンのお申込み・配信アドレスの変更、配信解除
 https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/mailmagazine
メールの内容・その他のお問合せ
 https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/inquiry
 TEL: 075-212-2600 FAX: 075-212-2700

**************************************************

発 行 人 :松井 道宣  編 集 人 :小見 伸雄
発行/配信:京都産業保健総合支援センター  https://www.kyotos.johas.go.jp/wp