バックナンバー

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京都産業保健総合支援センター メールマガジン284号 2024/10/1

        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp/wp
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        当センター主催 産業医研修会ついて

       10月~11月開催研修会     受付中

 * 申込完了メール(自動)を受信されたことにより受付完了となります。
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   設定のご確認をお願いたします。 
 *セミナー・研修の詳細・お申込み
  → https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/training-new
  *日本医師会の産業医情報(資格更新の特例措置、Web研修会等)
  → https://www.sangyo-doctors.gr.jp/

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◇京都産業保健総合支援センター ホームページ情報◇

(1) 厚生労働省「母性健康管理研修会」のご案内
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◇ストレスチェックは本当に効果があるのか?
 ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会より◇
    産業保健相談員(産業医学)  森口 次郎

 2024年3月29日から「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」が始まり、2015年に開始されたストレスチェック制度などメンタルヘルス対策の今後のあり方が議論されています。筆者は構成員として、この検討会に参加しています。

 この検討会の第1回、第2回では、ストレスチェックに関する多くの知見が紹介されました。まずストレスチェックで用いられている調査票「職業性ストレス簡易調査票」(57項目版や80項目版)が心理的な負担の程度を把握するうえでの妥当性について、ストレスチェック結果と各種心身のアウトカムとの関連性、高ストレス者における1か月の疾病休業発生の高さなどの報告が紹介されました。またストレスチェックの効果として、ストレスチェックの導入が労働者のストレス対処の特徴への気づきや対処実施意欲を増進すること、職場環境改善の取り組みが労働者の心理的ストレス反応の有意な低下や労働生産性の向上をもたらすことも紹介されていました。紹介された知見の中には、私が関わった労働者8名の事業場における労働者参加型の職場環境改善ワークショップおよびフォローアップ訪問の実施が「全員参加による達成への満足感」など労働者の肯定的な意見につながったことを報告する論文も紹介されていました[黒木ら、産衛誌 2020 62 (6) 249 60]。また産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員が関わっている研究報告もありました。労働者数約100 人の製造・卸売業で、集団分析結果の解釈等について、メンタルヘルス対策促進員の助言を受け、経営層と「働き方改革推進チーム」で改善案を検討し、上司・部下・同僚間の相互支援をしやすいチーム作りに取り組んだ結果、上司からの支援や総合健康リスクが改善し、メンタルヘルスに理解のある風土が醸成されたというものでした。これまでの報告には特定の事業場での成果などが含まれますので、一概にストレスチェックは有効と結論付けることはできませんが、多くの知見が蓄積されてきていることに感心しました。

 この検討会はまだ折り返し地点に来たくらいの進捗ですが、7月26日に開催された第5回までに、50人未満の事業場におけるストレスチェック実施の義務化に関して、労働者のプライバシー保護、中小企業に即した実施内容、人的リソース・地域窓口等による支援などについて熱心に意見交換されてきました。また集団分析・職場環境改善を義務化についても、事業場内の実施体制や外部支援のあり方などについて検討が進んでいます。

 第1回から第5回までの議事録や資料は以下のURLで閲覧することができます。今後の進展によっては産業保健専門職の日常業務に大きな影響があるかもしれませんので、ぜひ注目いただければ幸いです。

ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会
  https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38890.html

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◇薬にまつわる雑感◇
    メンタルヘルス対策・両立支援促進員 花谷 和雄

 先日、仕事関係の団体の納涼会に参加して何気ない雑談をしている中で睡眠の話題で「暑くて眠れない」「ほんまにこの夏の暑さは、桁外れですね」等とたわいもない話をしていました。その時に私がふと「私は、最近加齢による不眠症の症状があり寝付けない時は、睡眠薬を飲んで寝ています。」と言ったところ複数の話し相手から「えーっ、睡眠薬ですって、怖いーっ」と言う反応がありました。医師が処方した睡眠薬を服用しているのに「怖い」などと言われて一瞬イラッとしましたがそこは、大人の対応で「あ、皆さんは、睡眠薬を怖いと思われておられるんですね」とカウンセラーチックな返事をしておきました。

 この時にふと思い出したのですが相談室に来室される治療中のクライエントが薬を服用することに抵抗があり自己判断で減量・断薬されることがよくあり、医療に詳しくない方の多くが薬、特に向精神薬の服用には、大きな抵抗があることを理解しながらも服用は、治療の第一歩なんやけどなあともどかしく感じていました。
その昔、私が初心者カウンセラーの頃先輩カウンセラーの集まりに参加して勉強していた時にTさんという薬の知識が豊富な方がおられました。Tさんの薬の知識には参考になることも多かったのですが事例を検討する時にクライエントが服用している薬から「このクライエントは、この薬を処方されているからこの病気や」などと話しされる方で私は、「それは話しが飛躍しすぎやろ」「決めつけすぎやろ」と強く反発していました。そして、当時未熟な私は、これに反発し「自分は、カウンセリングの時にクライエントがどのような薬を処方されているかを聞くとそのクライエントを誤解するのではないか」と考えてしまい薬の情報をシャットアウトしていました。

 それから少し経ち少し別の勉強会に参加した時に講師から「処方されている薬を知ることは、医師がその人の症状に併せて処方しているのだから症状を理解する上でクライエント理解に繋がるよ」と教えられ目から鱗状態でこれまでの自分の考えの誤りに気づきました。その後積極的に薬の情報も聞くようになりそこからカウンセリング技術が向上したように感じましたし、バイザーからも肯定的な評価を頂きました。カウンセラーとして活動している私も過去には、薬を理解する上で誤解があったりしていました。まして一般の方が「睡眠薬怖い」、クライエントが「少しよくなってきたので薬を減らした(自慢げ)」のような理解をされることは、致し方ないと考えます。その上でクライエントには、服薬のサポートをし、一般の方には、薬を正しく理解してもらえるように説明することもカウンセラーの責務かなと考えています。

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◇ 産業保健スタッフ研修会のご案内 ◇

*【Web研修】おとなの発達障がい (2回シリーズ)
   第1回:メンタルヘルスと発達障がい特性の理解について
   日時:令和6年10月18日(金) 14:00~16:00
   講師:大阪公立大学大学院 神経精神医学 教授 井上 幸紀 先生

   第2回:発達特性を有する労働者の職場での事例性に応じた対応と
      専門家との連携について
   日時:令和6年10月29日(火) 14:00~16:00
   講師:産業医科大学医学部 両立支援室 室長 永田 昌子 先生

   リーフレット
   https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/wp-content/uploads/2024/08/2024.10otonahattatsusyougai.pdf

   ※2回シリーズですが、研修ごとのお申込が必要となります。
   ※テキストをお送りしますので、ご住所をお知らせください。

*一般健康診断事後措置における保健指導の意義について
   日時:令和6年11月28日(木) 14:00~16:00
   会場:アーバネックス御池ビル東館 2階会議室
   講師:なかじまちあき内科クリニック 医師・産業医  中嶋千晶先生

※日医認定産業医の単位は付与されません。

お申込: https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/training#training02

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◇ 両立支援コーディネーター基礎研修を受講された皆様へ ◇

  メールアドレス、ご所属先など登録情報の変更がございましたら
  以下のアドレス宛てにご連絡ください。

       労働者健康安全機構勤労者医療課 
       両立支援コーディネーター養成研修事務局
       E-mail: co-ryoritu@honbu.johas.go.jp

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◇ 令和6年度 両立支援コーディネーター基礎研修のご案内 ◇

今年度の日程が公表されています。
オンライン形式(動画配信研修+WEBライブ講習)での開催です。
応募者多数の場合は厳正なる抽選のもと、受講者を決定いたします。
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx

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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇

 当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に取り組む事業場の方からの相談に応じています。
  → https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/ryoritsu

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
  ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
  ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
  ・京都市立病院       毎月第1金曜日(11:00~12:00)
  ・京都第二赤十字病院    随時
  ・京都第一赤十字病院    随時
  ・京都桂病院        随時
  ・京都医療センター     随時
  ・洛和会音羽病院      随時
  ・宇治徳洲会病院      随時
  ・京都山城総合医療センター 随時
  ・京都岡本記念病院     随時
  ・市立福知山市民病院    随時
  ・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター 随時

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◇メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇

  促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

   ・管理監督者教育への講師派遣
   ・若年労働者教育への講師派遣
   ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
   ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
   ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
    関する支援
    詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/mental

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◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/about
◆相談のご案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/consultation
◆研修・セミナーのご案内◆
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◆図書・教材のご案内◆
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◆産業保健新着情報◆
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◆メールマガジン(バックナンバー)◆
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発 行 人 :松井 道宣  編 集 人 :小見 伸雄
編集協力 :産業保健相談員 メンタルヘルス対策・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター  https://www.kyotos.johas.go.jp/wp