バックナンバー

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京都産業保健総合支援センター メールマガジン285号 2024/10/15
        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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        当センター主催 産業医研修会ついて

    10月~11月開催研修会  受付中
    12月~1月開催研修会  11/7(木)午前受付開始(予定)
                                
 *セミナー・研修の詳細・お申込み
   → https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/training-new
  *申込完了メール(自動)を受信されたことにより受付完了となります。
   「kyotos.johas.go.jp」ドメインからのメールが受信できるよう
   設定のご確認をお願いたします。 

  *日本医師会産業医情報
   → https://www.sangyo-doctors.gr.jp/
   認定産業医更新手続きコロナ特例の終了について
   → https://www.sangyo-doctors.gr.jp/Notice/Details/9022

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両立支援に生かしたい!!『就業規則』について考えよう
 ⑥ 試し出勤制度について

松田)試し出勤制度という制度を聞くことがあります。

小見)リハビリ出勤制度と言ったり、職場によって呼び方や定義は様々で
   す。事業者が自主的に設ける勤務制度で、長期間にわたり休業して
   いた労働者に対し、円滑な復職を支援するために、勤務時間や勤務
   日数を短縮した試し出勤等を行うものです*1

松田)長く休んでいた労働者は、復職に対して様々な不安を感じます。
   自身の体調や職場の状況を確認しながら復帰を進められるという
   メリットがありますね。

小見)受け入れに不安を感じている職場の関係者にとっても、制度がある
   ことで不安を解消し、円滑な就労に向けて具体的な準備を行うこと
   が可能となります。

松田)試し出勤は
   ①休職期間中 ②復職後 
   どちらに行うものですか?

小見)どちらの場合もあります。
   ただし、しっかり制度設計することが大事です。

松田)①休職期間中とする場合のポイントは?

小見)復職可否判断の参考とすることができますが、休職期間中ですので
   労務提供とならない内容(読書など)とする必要があり、賃金の支払
   いは生じません。また、労災保険の対象にもなりません。

松田)交通費の支払いなどもルールを定めておく必要がありますね。
   ②復職後に試し出勤をする場合のポイントはどうでしょう?

小見)復職後のフォローアップ期間として実施され、労務提供となるため
   に賃金の支払いが生じます。

松田)いずれにしても、制度の適用期間や、試し出勤中に体調不良や欠勤
   があり、復職可能な状態にないと判断された場合の対処など、事前
   に定めておくことが大事ですね。

小見)そして、復職を希望する労働者に対して、文書などで制度について
   きちんと説明をしましょう。

松田)このような制度が無い場合、労働者はどうしたらよいでしょう?

小見)休職期間中に、自分で勤務に近い状況(時間・行き先・作業内容)を
   設定して活動し、体力や集中力、疲労の回復具合(翌日までに疲れが
   残らないか?)を試し、訓練することをお勧めします。

松田)生活記録表をつけると回復具合を職場にも説明しやすいですね。

【引用文献】
 *1 厚生労働省 事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイド
   ライン 令和6年3月版
   https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001225327.pdf
   (参照2024-10-11)

【参考文献】
 神奈川産業保健総合支援センター.“治療と仕事の両立のための就業規則
 規程例集”.治療と仕事の両立支援事業.2023-03.
https://www.kanagawas.johas.go.jp/files/libs/2397/202304261335406545.pdf
 (参照2024-10-11)

※このコラムはホームページ(保健師の窓)からもご覧いただけます 
   → https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/health-nurse

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「目線」の大切さ   副所長 小見 伸雄

 実りの秋、食欲の秋を迎え、今月は食べ物ネタで入りたいと思います。
「とれとれピチピチかに料理♪」でおなじみの、かに道楽というお店は、有名な大きなカニが動く看板で知られているかと思いますが、その大きなカニの看板にも微妙な違いがあることをご存知ですか。
 たとえば、路面店など大通りに面しているところに店舗を構えている場所であれば、カニの足とハサミの動きが縦方向に動くようになっており、狭い通りであったり、少し路地や入り組んだ場所に軒を構える店舗であれば、カニの足とハサミは横方向に動くということです。
 もちろん、これには理由があり、お客様が店舗の前で立ち止まり見るようなお店の看板は縦に動かすことによって、よりカニの躍動感を演出するようにした仕組みになっていて、逆に近くで立ち止まって見るようなことが少ない店舗のカニについては、遠目でも動いていることがわかりやすいよう横方向に動かし、看板(店舗)の存在感を演出しているとのことでした。皆様も一度、ご確認ください。
 この看板から学べることは、小さな違いではあるものの、こういった創意工夫というのは、お客様=利用者の立場に立っていなければ、決して思いつくアイデアではないということです。こうした利用者目線での創意工夫が、効果的な安全衛生活動、新たなビジネスや大きな付加価値を作り出していくのではと思います。

 以前、私が仕事で寄せていただいた大手製造メーカーでは、お父さん、お母さんの仕事への理解を図る目的で、従業員のお子さんを対象とした工場見学を行っていました。そして、その際、お子さんが「危険だなあ」と思った個所を話してもらうという取り組みをしていました。目線の高さや感受性が大人とは異なるから、なかなか鋭い指摘があり、大変参考になると話してくれました。

 どうしても、人は慣れてくると、危険なもの有害なものに対する「感受性」が鈍くなってしまいます。最近相次いでいる、情報伝達の遅れによる健康被害、性能検査などの不正行為なども、感受性が鈍くなっていたこともその一因であると思います。会社での産業保健活動についても、内部の視点だけではなく、外部の視点を取り入れ、見直してみることに取り組んでみては如何でしょうか。

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      産業保健スタッフ研修会のご案内

『一般健康診断事後措置における保健指導の意義について』
  日時:令和6年11月28日(木) 14:00~16:00
  会場:アーバネックス御池ビル東館 2階会議室
  講師:なかじまちあき内科クリニック 院長 中嶋千晶 先生

お申込: https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/seminar/seminar_view.php?cate=2
※日医認定産業医の単位は付与されません。

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◇「2024年度 治療と仕事の両立支援シンポジウム」のご案内 ◇

◯シンポジウム 
 「治療と仕事の両立支援とは?動き始めるのは会社自身、そして、労働者自身」
◯オンラインセミナー
 1回目:治療と仕事の両立支援とは?各業種の中小企業の取組から学ぶ」
 2回目:「治療と仕事の両立支援とは?労働者の経験・エピソードから学ぶ
     両立支援の進め方」
 詳細 → https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/symposium/

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◇ 令和6年度 両立支援コーディネーター基礎研修のご案内 ◇

 今年度の日程が公表されています。
 オンライン形式(動画配信研修+WEBライブ講習)での開催です。
 詳しくは
 https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx

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◇ 両立支援コーディネーター基礎研修を受講された皆様へ ◇

  メールアドレス、ご所属先など登録情報の変更がございましたら
  以下のアドレス宛てにご連絡ください。

       労働者健康安全機構勤労者医療課 
       両立支援コーディネーター養成研修事務局
       E-mail: co-ryoritu@honbu.johas.go.jp

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◆ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◆

 当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に取り組む事業場の方からの相談に応じています。
  → https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/ryoritsu

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
  ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
  ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
  ・京都市立病院       毎月第1金曜日(11:00~12:00)
  ・京都第二赤十字病院    随時
  ・京都第一赤十字病院    随時
  ・京都桂病院        随時
  ・京都医療センター     随時
  ・洛和会音羽病院      随時
  ・宇治徳洲会病院      随時
  ・京都山城総合医療センター 随時
  ・京都岡本記念病院     随時
  ・市立福知山市民病院    随時
  ・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター 随時

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◆ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◆

  促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

   ・管理監督者教育への講師派遣
   ・若年労働者教育への講師派遣
   ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
   ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
   ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
    関する支援
    詳 細 →https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/mental

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〃New〃◆健康保持増進のための職場訪問支援サービスついて(無料)◆
 
 仕事中の「転倒災害」や「腰痛」等の労働災害に向けて、産業保健相談
員が事業場を訪問して健康測定・チエック、社内セミナーの実施や実技指
導、運動アドバイス等を行います。
 健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点
から、理学療法士の相談員による「運動指導等を通じた労働者の健康保持
増進のための支援」を実施することとなりました。ぜひご利用ください。

 詳細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/health-work-support-visit

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発 行 人 :松井 道宣  編 集 人 :小見 伸雄
発行/配信:京都産業保健総合支援センター  https://www.kyotos.johas.go.jp/wp