バックナンバー
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京都産業保健総合支援センター メールマガジン289号 2024/12/13
発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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当センター主催 産業医研修会ついて
12月~1月開催研修会 受付中
2月~3月開催研修会 1/8(水)午前受付開始(予定)
*セミナー・研修の詳細・お申込み
→ https://www.kyotos.johas.go.jp/training-new
*申込完了メール(自動)を受信されたことにより受付完了となります。
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設定のご確認をお願いたします。
*日本医師会産業医情報
→ https://www.sangyo-doctors.gr.jp/
認定産業医更新手続きコロナ特例の終了について
→ https://www.sangyo-doctors.gr.jp/Notice/Details/9022
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両立支援に生かしたい!!『就業規則』について考えよう
⑧ 時間単位・半日単位の年次有給休暇制度
松田)労働者(患者)から「午後からの診察なのに、うちの会社には半日休
が無いから1日休まなければならないんです。これって労働基準法
違反じゃないんですか?」と聞かれました。
小見)半日単位の年次有給休暇のことですね。時間休(時間単位の年次有給
休暇制度)でも同じような質問を受けることがあります。
松田)これらの制度が無い会社は法違反になるのでしょうか?
小見)いいえ。労働基準法での年次有給休暇は、労働者の心身の疲労を
回復させ、労働力の維持培養を図るため、また、ゆとりある生活の
実現にも資するという趣旨であり、原則として1日単位としていま
す。
松田)年次有給休暇の原則は1日単位なので、時間単位や半日単位の制度が
無いからといって法違反にはならないのですね。
小見)そうです。時間単位・半日単位の年次有給休暇制度は、事業場が自
主的に設ける制度です。
松田)制度があると、子供の学校行事、官公署や銀行での手続きなど必要
な時間分だけ取得できるため、労働者の多様なニーズに柔軟に対応
することができますね。
小見)治療と仕事の両立においても、病気の治療や通院は数時間から半日
で終わることが多いので、時間休や半日休があると治療と仕事の
両立がしやすいです。
松田)通院頻度が多い期間は、限られた日数の有給休暇を分割して使える
メリットがありますね。
小見)ただし、年次有給休暇の本来の趣旨を損なわないようにするため、
時間単位の年次有給休暇については、労使協定を締結することと、
1年で5日分まで、という上限が決められています。
松田)半日単位の有給休暇も上限がありますか?
小見)いいえ。就業規則の定めによって、1日単位での取得を阻害しない
範囲で運用される限り、労働者からの請求に応じて与えることが
できます。
松田)制度があると、労働者が柔軟に使い分けることができて、治療や
疲労回復、リフレッシュにうまく活用できますね。
【参考文献】
神奈川産業保健総合支援センター“治療と仕事の両立のための就業規則
規程例集” 治療と仕事の両立支援事業 2023-03.
https://www.kanagawas.johas.go.jp/files/libs/2397/202304261335406545.pdf
(参照2024-11-14)
※このコラムはホームページ(保健師の窓)からもご覧いただけます
→ https://www.kyotos.johas.go.jp/health-nurse
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忠臣蔵のリスクマネジメント 副所長 小見 伸雄
明日、12月14日は「忠臣蔵」でお馴染みの赤穂浪士の討ち入りでした。昭和の頃は、年末近くになるとどこのテレビ局でもドラマや特集を組んでいたものですが・・・。
さて、この赤穂浪士の討ち入り。リスクマネジメントの面から学ぶところが多くあります。トップである大石内蔵助の方針表明から始まり、吉良邸内の図面入手や警護の人数、武器の確認など危険有害性の調査、浪士間での「山」と「川」による指差呼称の励行、三人一組の班編成によるヒューマンエラー防止、滑り止め草鞋や鎖帷子の着用など保護具の徹底などなど。
その結果、不慣れな敵地において、相手の人数は5倍強、それにも関わらず赤穂浪士側の死亡災害は0。見事に主君の仇を討ち、本懐を遂げたのはご存じの通りです。
赤穂浪士の例を出すまでもなく、仕事をする上で、リスクマネジメントを考えなければなりません。リスクは何をするにもついて回るもので、これを恐れていたら仕事にはなりません。しかしながら、このリスクをただ無視して、ガンガン前に進んでいくだけでは問題が発生してしまい、マイナスとなってしまう事もあります。これらのバランスを取って仕事を進めるのが、リスクマネジメントだと言えます。
リスクマネジメントの重要な部分は、リスクの重さと発生の頻度を考える事にあります。リスクが発生しても、ほとんど損害のないものや、ほとんど影響のないものはリスクマネジメントでは無視しても良い部類のリスクとなります。また、発生の頻度が著しく低いものも無視をして良いと思います。もちろん、発生の頻度が著しく低いものでも、生死に関わる事や会社の存続に関わる様なものは対策を取るべきですが、「隕石が工場に落下する」など1万年に一度あるかないか分からないリスクに対して対策を立てていたら、それだけでやる事が一杯になってしまい、本来業務が出来なくなってしまいます。 これらの事を意識して、仕事をしていけば、攻めも守りも強い組織として成長していくのではないかと思います。
そして、リスクマネジメントは、会社だけが行うものではありません。社員一人一人が意識して行なっていく事が、結果として会社全体でリスクマネジメントをしている事につながっていくと思います。 大石内蔵助ら上層部だけでなく、浪士一人一人がリスクを理解し、マネジメントの意識が出来ていたからこそ、目標が達成できたのです。
皆様も、平素から職場にどの様なリスクがあるのかをイメージしながら仕事をしていければ、安全安心な職場環境を築くことができると思います。また、これは家庭でも応用できますので、特に酒宴の多い年末年始には実践して参りましょう。
さて、早いもので今年もあとわずかとなりました。この1年、当センターをご利用いただき誠にありがとうございました。
来年も職員一同、皆様のお役に立てるようより一層尽力して参りますので、引き続きよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。
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◆ 産業保健スタッフ研修会のご案内 ◆
『上手なしかり方』
日時:令和7年 1月15日(水) 14:00~16:00
会場:アーバネックス御池ビル東館 2階会議室
講師:(株)ホリスティックコミュニケーション 代表取締役 豊田直子氏
受講料:無料
お申込: https://www.kyotos.johas.go.jp/seminar/seminar_view.php?cate=2
※日医認定産業医の単位は付与されません。
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◇2024年度 治療と仕事の両立支援シンポジウム」のご案内◇
●オンラインセミナー
1回目:令和6年12月12日(木)開催 アーカイブ配信予定
「治療と仕事の両立支援とは?各業種の中小企業の取組から学ぶ」
2回目:令和7年1月28日(火) 16:00~17:40
「治療と仕事の両立支援とは?労働者の経験・エピソードから学ぶ
両立支援の進め方」
詳細→ https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/symposium/
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◇「京都府高次脳機能障害(京都市域)支援ネットワーク会議」のご案内◇
【 開 催 日 】令和7年1月9日(木) 13:00~15:30
●基調講演
「循環器病対策推進計画における脳卒中患者に対する両立支援の展開」
●シンポジウム
「高次脳機能障害のある方への復職支援の実際」
詳細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/wp-content/uploads/2024/10/R6koujinousienn.pdf
申込→ https://sc.city.kyoto.lg.jp/multiform/multiform.php?form_id=8643
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◇ 令和6年度 両立支援コーディネーター基礎研修のご案内 ◇
今年度の日程が公表されています。
オンライン形式(動画配信研修+Webライブ講習)での開催です。
第6回・第7回の募集期間は、12月6日(金)~12月20日(金)17時まで。
詳細 ↓
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx
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◇ 両立支援コーディネーター基礎研修を受講された皆様へ ◇
メールアドレス、ご所属先など登録情報の変更がございましたら
以下のアドレス宛てにお知らせください。
労働者健康安全機構勤労者医療課
両立支援コーディネーター研修事務局
E-mail: co-ryoritu@m.johas.go.jp
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◆ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◆
当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に取り組む事業場の方からの相談に応じています。
→ https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu
*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
・京都大学医学部附属病院 毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
・京都市立病院 毎月第1金曜日(11:00~12:00)
・京都第二赤十字病院 随時
・京都第一赤十字病院 随時
・京都桂病院 随時
・京都医療センター 随時
・洛和会音羽病院 随時
・宇治徳洲会病院 随時
・京都山城総合医療センター 随時
・京都岡本記念病院 随時
・市立福知山市民病院 随時
・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター 随時
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◆ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◆
促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。
・管理監督者教育への講師派遣
・若年労働者教育への講師派遣
・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
関する支援
詳 細 →https://www.kyotos.johas.go.jp/mental
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〃New〃◆健康保持増進のための職場訪問支援サービスついて(無料)◆
仕事中の「転倒災害」や「腰痛」等の労働災害に向けて、産業保健相談
員が事業場を訪問して健康測定・チエック、社内セミナーの実施や実技指
導、運動アドバイス等を行います。
健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点
から、理学療法士の相談員による「運動指導等を通じた労働者の健康保持
増進のための支援」を実施することとなりました。ぜひご利用ください。
詳細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/health-work-support-visit
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発 行 人 :松井 道宣 編 集 人 :小見 伸雄
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp