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京都産業保健総合支援センター メールマガジン170号 2015/10/1
ホームページ:http://www.kyoto-sanpo.jp
発行:京都産業保健総合支援センター 所長 森 洋一


◇京都産業保健総合支援センター ホームページ情報◇

1)「じん肺診断技術研修」のご案内            <2015.9.  1UP>
2)「粉じん障害防止規則及びじん肺法施行規則」の改正について
                           <2015.9. 1UP>
3)ストレスチェック実施促進のための助成金に係るQ&A <2015.9.14UP>
4) 第27回全国衛生管理者情報交流会のご案内       <2015.9.16UP>
5) 産業医学振興財団 産業医学専門講習会(東京)のご案内 <2015.9.30UP>


◇死んだらあかん、死なしたらあかん◇
労働衛生関係法令相談員  玉泉 孝次

 過労死等防止対策推進法に基づく対策大綱が7月24日に閣議決定された。
 実態解明のための調査研究のほか、2020年までの数値目標として、週60時間以上働く労働者の割合を5%以下(現在10%弱)、有給休暇の取得率を70%以上(現在約50%)にする、労働者のメンタルヘルス対策に取り組む事業者の割合を2017年までに80%以上にする等の目標を掲げている。また、今後おおむね3年を目途に、すべての都道府県でシンポジウムを開催、身体面・精神面の不調を生じた労働者の誰もが必要に応じて相談できる体制の整備なども掲げている。
 大綱が、現行の法制度の範囲内での対策とされていることからこのような対策しかできないと思われるが、残念ながら隔靴掻痒の感をぬぐえない。
 平成26年度の脳・心臓疾患の労災認定者が277人、うち死亡(過労死)が121人、精神障害の認定者が497人、うち1か月の時間外労働80時間以上が201人、そのうち自殺が61人に上っている。
 この現状で、今さら「調査研究」「シンポジウム」ではないであろう。日本の雇用者数は平成27年7月で5,632万人(総務省統計局労働力調査)であるから5%は250万人、穿った言い方をすれば250万人までは週60時間以上働いても構わないという数字である。
 過労死の原因は「過重労働」である。毎年、200近くの家庭が過重労働に関係して崩壊している現状を当たり前のように感じてはならない。過重労働をなくする手段は「時間外労働の上限規制」と「終業から翌日の始業までの休息時間の設定」で事足りる話である。労働基準法の抜本的な改正を望みたい。

仕事で死んだらあかん、仕事で死なしたらあかん。


◇ストレスチェック Q&A◇
  メンタルヘルス対策促進員  松川 晴美
 
 最近事業所にお伺いすると、ストレスチェックに関して「ここがよくわからない」とご質問を受けることがあります。そこで代表的なご質問について、書いてみたいと思います。
 その1:ストレスチェックは必ず「職業性ストレス簡易調査票」を使わなくてはいけないのでしょうか。
 厚生労働省の指針には、「事業者がストレスチェックに用いる調査票としては、別添の『職業性ストレス簡易調査票』を用いることが望ましい。」と記載されています。その他の調査票を用いる場合、「職場のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3つの領域に関する項目によりストレスの程度を点数化して評価するもので、その選定項目に一定の科学的な根拠があれば用いてもよいとされています。いずれの場合でも、事業者が調査票を決定するに当たっては、実施者の意見の聴取、衛生委員会等での調査審議が必要です。
 その2:実施事務従事者は2名以上任命してもいいでしょうか。
 特に1名しか任命してはいけないという規定はないので、2名以上任命することは可能です。ただ円滑に進めるためにも、各担当者が何をどこまで担当するかということについて、事前に衛生委員会で調査審議して、決めておく必要があるでしょう。
 これらはほんの一例にすぎません。準備を進める中できっと沢山の疑問が浮かぶことと思います。そのようなときは、厚生労働省のHP「ストレスチェック制度関係 Q&A」http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150507-2.pdf
または、独立行政法人労働者健康福祉機構が行っている「ストレスチェック制度サポートダイヤル」0570-031050などをご活用ください。
 準備が良ければ憂いなしです。皆様の会社でストレスチェックが有効に機能するよう、これからも精一杯支援させていただきたいと考えています。


◇ストレスチェック制度について◇

「こころの耳」に「ストレスチェック制度」についてまとめられています。
 制度に関する新着情報をチェックできます。
  http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou.html



◆産業保健に関する各種研修会のお知らせ◆
  http://www.kyoto-sanpo.jp/5semina/semina-s.htm
 ※10月~12月開催の研修会を掲載しています。奮ってご参加下さい。
 ※当センターが実施する「産業医研修会」について、付与できる単位は
  「生涯研修」のみとなります。
  「基礎研修」を受講される方は、京都府医師会主催の研修会を
   ご覧ください。
  http://www.kyoto.med.or.jp/member/sports/index.html

◆京都産業保健総合支援センターホームページ◆
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◆東日本大震災関連情報◆ http://www.rofuku.go.jp/higashinihon_daishinsai/tabid/422/Default.aspx


発行人:森 洋一  編集人:真下 尚之  info@kyoto-sanpo.jp
編集協力:京都産業保健総合支援センター産業保健相談員
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