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京都産業保健総合支援センター メールマガジン 225号 2020/4/1

        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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令和2年4月から6月の産業保健研修会について

 新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、4月の研修会は開催を見送らせていただくこととなりました。
 5月・6月分研修会につきましては、現在のところHP掲載および申込受付開始を4月中旬に予定しております。また『京都医報No.2170(4月1日号)』・『京都労基2020 No.756(4月1日号)』において、4月から6月までの研修会が掲載されておりますが、同様の取扱いとさせていただきます。日程が決まり次第メールマガジン及び当センターホームページでお知らせいたしますので、もうしばらくお待ちいただきますようお願いいたします。
 また、5月以降の研修会につきましても、感染状況等により中止・延期とさせていただくことがございます。
 ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

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◇ 京都産業保健総合支援センター ホームページ情報 ◇
1)企業向け新型コロナウイルスに関するQ&A
2)労働者向け新型コロナウイルスに関するQ&A
3)新型コロナウイルス感染症:企業と個人に求められる対策Q&A
4)新型コロナウイルス感染症:労働者が安心して働くことができる環境
  整備のための支援策について
5)【令和2年3月改訂】事業場における治療と仕事の両立支援のための
  ガイドライン
6)リスク評価結果等に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について
7)厚生労働省ホームページの偽サイトにご注意ください
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◇ 3・11東日本震災地福島県を訪れ心に残ったこと ◇
    メンタルヘルス対策促進員  今坂 一郎

 昨年6月に京都法然院遊心会の呼びかけによる福島県祈りの旅(3泊4日、15名)に参加した。3・11の3年後に初めて訪れた宮城県南三陸町では、津波により家屋が喪失した生々しい被災地などを目にした。8年が経ったので、復興はかなり進んでいるであろうと予期しての旅であった。
 予期したとおり、地形や家屋など外観的な復興は進んでいる様子がうかがえた。しかし、いわき市北部の海岸沿いでは、高さ7mのコンクリート防潮堤が延々と築かれ、バスの中から海がまったく見えないことにある種の違和感を抱いた。福島第一原子力発電所の近辺では未だに帰還困難区域が存在し、国道沿いの畑地には汚染土の詰まった黒いフレコンバッグが山積みされていた。
 強く心に残ったのは、東京電力廃炉資料館を訪問した時のことである。この記念館は、事故が起こった福島第一原子力発電所から南10㎞ほどの富岡町に、事故の事実と廃炉の現状を伝える場として、一昨年11月30日に東京電力により設けられていた。館内には原発の全景模型、事故当時の映像、廃炉作業がわかる映像、震災直後の新聞記事など種々多数のものが紹介展示され、一部は撮影禁止となっていた。訪問時の入館者数は、われわれを含めてもごく少数であり、館内全体には重苦しい雰囲気が漂っていた。

 京都に帰った後、法然院の梶田真章貫主から資料館で働く職員の方々と対話したことを伺った。事故前は東京電力の子会社の社員として東京で営業をしていたが、事故後は使命感から千葉県に家族を残して単身赴任している人、事故前は東京で映像関係の仕事をしていたが、事故後に地元故郷の危機に際して、東京電力に入社し説明責任を果たそうとする人など、真摯に職務を務めようとする方々がいたと伺った。
 重大な事故を起こした原発の廃炉作業や先の見えない汚染水処理という課題もあって、原発を存続するか廃止するかが議論されている。その中で、自ら選んで入社した会社と地震発生により環境が激変した職場において、職員は複雑な思いを抱いて働いていると想像され、そうした気持ちに寄り添うことの難しさについて考えた。他の面では、現地に泊り食事をして観光地で土産物を買うなど、当地にお金を落とすのも復興支援のひとつかと僭越ながらも思った。

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◇ ゲーム依存世代へのメンタルヘルス対策 ◇
    メンタルヘルス対策促進員  花谷 和雄

私が加入している「公益財団法人日本精神衛生会」という団体から送られてきた機関誌に「21世紀のメンタルヘルス」という特集が組まれていました。興味を惹かれる記事ばかりでしたがその中で特に「インターネット依存に関連したコミュニケーションの問題」という論文に関心を持ちました。しかも執筆陣がKASTで知られる久里浜医療センターの先生方でこのセンターは、依存症について高いレベルで研究されていることに今更ながら驚きました。
先ず、簡単なスクリーニングテストがあったので転載します。

表I Diagnostic Questionnaireの邦訳版
 1.あなたはインターネットに夢中になっていると感じていますか?
  (たとえば、前回にネットでしたことを考えたり、次回ネットをするこ
   とを待ち望んでいたり、など)
 2.あなたは、満足をえるために、ネットを使う時間をだんだん長くして
   いかねばならないと感じていますか?
 3.あなたは、ネット使用を制限したり、時間を減らしたり、完全に
   やめようとしたが、うまくいかなかったことがたびたびありました 
   か?
 4.ネットの使用時間を短くしたり、完全にやめようとした時、落ち着か
   なかったり、不機嫌や落ち込み、またはイライラなどを感じますか?
 5.あなたは、使い初めに意図したよりも長い時間オンラインの状態でい
   ますか?
 6.あなたは、ネットのために大切な人間関係、学校のことや、部活の
   ことを台無しにしたり、あやうくするようなことがありましたか?
 7.あなたは、ネットヘの熱中のしすぎをかくすために、家族、学校の
   先生やその他の人たちにうそをついたことがありますか?
 8.あなたは、問題から逃げるために、または、絶望的な気持ち、罪悪
     感、不安、落ち込みなどといったいやな気持から逃げるために、
     ネットを使いますか?
評価方法,5項目以上該当すれば「インターネット依存の疑い」とする。
引用:公益財団法人日本精神衛生会刊「21世紀のメンタルヘルス」P81より

このテスト、「どちらかと言えば」と言う文言を加えると私の場合ほぼ依存症であることになり改めてえらいこっちゃと思い始めています。
また、昨年開催された世界保健総会で「ゲーム障害」がICD‐11に収載されることも決まったようでこれからますますネット依存の人口の増加が見込まれており国も早々に対策を開始しているようです。
ネットにのめり込む人たちの中に発達障害や合併精神障害を持つ人が見受けられるそうです。これらの特性を持つ人たちは、煩わしい人間関係から逃れられるネットの世界に流れ込んでくることが多いようです。そうしてますます現実社会から遠のいてしまうと考えられます。
社会の問題として捉えてみると薬物と変わらないくらい重篤でその対策は困難なものがあるように感じています。統計的な数字は割愛しますがネット使用開始の低年齢化も顕著であり早期のトータル的なネットに関する教育の必要性を感じています。
私は、メンタルヘルス対策促進員をして成人を対象に活動していますがこれから所謂ゲーム世代が勤労者として社会に参入してくるわけでそういった世代にどう対応するかはこれからの大きな社会的課題だと考えています。
【注釈】
KAST:久里浜式アルコール症スクリーニングテスト
ICD-11:WHOが作成する国際疾病分類の第11回改訂版

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◇ 相談窓口(面談)をご利用の皆さまへ)◇
  現在、新型コロナウィルスを含む感染症対策を実施しています。
 相談窓口(面談)では、発熱やせきなどの症状のある方及び感染者との
接触があった方は感染を予防するため来所による相談は控えていただき
ますようお願いしますまた感染症対策の基本である手洗いアルコール
消毒」や「マスクの着用(マスク持参)を含む咳エチケット」にご協力を
お願いします。
 尚、相談窓口では、電話・メール等の相談は通常通り実施しています。

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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇

  当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
  取り組む事業場の方からの相談に応じています。
→ https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
  ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
  ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
  ・宇治徳洲会病院      随時
  ・市立福知山市民病院    随時
  ・京都市立病院       随時
  ・京都医療センター     随時
  ・京都第一赤十字病院    随時
  ・京都岡本記念病院     随時
  ・京都桂病院        随時
  ・京都第二赤十字病院    随時
  ・京都府立医科大学附属病院 
       北部医療センター 随時 

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◆産業保健に関する各種研修会のお知らせ◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp/training

※当センターが実施する「産業医研修会」について、付与できる単位は
「生涯研修」のみとなります。
「基礎研修」を受講される方は、京都府医師会主催の研修会をご覧
  ください。→http://www.kyoto.med.or.jp/member/sports/index.html

◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
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◆相談のご案内◆
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発 行 人 :松井 道宣
編 集 人 :古澤 稔正
編集協力 :産業保健相談員・メンタルヘルス対策促進員・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp