バックナンバー

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京都産業保健総合支援センター メールマガジン  178号
 平成28年度 第3号 2016/6/1
         ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
         発行:京都産業保健総合支援センター 所長 森 洋一
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◇平成28年4月1日統合により機構名称が

 『 独立行政法人労働者健康安全機構 』に変わりました。
 これに伴いメールアドレス、ホームページURLが変更となりました。
 
  独立行政法人労働者健康安全機構 京都産業保健総合支援センター
   (新メールアドレス):info@kyotos.johas.go.jp
   (新URL)    :https://www.kyotos.johas.go.jp 
     ※お気に入り登録されている方は、ご変更ください。

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◇京都産業保健総合支援センター ホームページ情報◇

 1)平成28年度 全国安全週間について      <2016.5.23UP>

 2)厚生労働省平成27年「職場における熱中症による死傷災害

  の発生状況」 を公表              <2016.5.30UP>
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◇ 化学物質等のリスクアセスメント義務化に思うこと ◇

        労働衛生工学相談員  岡本 浩

 
 平成28年6月1日からSDS通知対象物質640物質について「化学物質等
の危険性又は有害性等の調査等(リスクアセスメント)」が義務化され、各
事業場においてはどのように取り組んでおられるか気にかかります。私は
労働安全と衛生のコンサルタントですが、これまで、どちらかと言えば安
全のリスクアセスメントには馴染みがあり、相談される事業場に沿った形
で支援させていただきました。今回義務化された衛生のリスクアセスメン
トについても施行を控えてご相談を受けた事業場がいくつかあります。し
かし、戸惑う場面もいくつかあります。具体的なリスクアセスメントの方
法を説明し終わったところで、「義務化されたといっても変更、新規等の
条件が現状と比較して変わった時ですね」。私の勉強不足であればお詫び
しますが、そのとおり、指針(平成27年9月18日RA指針公示第3号)で説
明されています。現状どおりの使用実態であれば、鋭意前向きに解釈した
としても「リスクアセスメントを行うよう努めること」となります。私と
しては義務化に伴い、試行錯誤しながら支援に取り組んでいるのですが、
ちょっと腰砕けになるのが、この「努めること」、「努力義務」…の結び
の言葉です。この前も、京都の講師研修会での行政の方の質疑応答の場
面で、「法の文書の結語に努力義務が多く目につくが、何とかならない
か」、と質問されている参加者がありました。
 今回の義務化においてはまだ続きがあります。改正された法律の冒頭部
分(第57条の3)ですが、「リスクアセスメントの調査をしなければならな
いが、調査結果に基づく措置は…努めなければならない」。さらに、誰が
取り組むかというところでは、事業場にとって最も大切なところですが、
ここでも化学物質管理者の指名については、「この者にリスクアセスメン
ト等に関する技術的業務を行わせることが望ましいこと」の結語になって
います。法を作り出す側と運用する側に透明な壁が立ちはだかっているよ
うに思われます。強固な壁を柔軟な壁に作り替えるのが私の役目と考えて
います。労働災害を未然に防止するための相談お待ちします。
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◇ 若年労働者のセルフケア教育」について ◇

     メンタルヘルス対策促進員 小澤 裕美子

 
 すでに、チラシ等でご案内していますが、今年度から、当センターの
「メンタルヘルス対策支援事業」の中で、新たに「若年労働者教育への講
師派遣」が加わっています。
 この事業は、当センターのメンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、
事業場に就労して間もない若年労働者に対し、自殺予防等のためのセルフ
ケア教育や研修を実施するというものです。
 この背景には「平成27年版自殺対策白書」(以下「白書」といいま
す。)において『「勤務問題」に関し大きな負担を抱えやすい傾向のある
20歳台のメンタルヘルス対策が重要である』とされていることもあり、新
入社員や20歳台の若手社員を対象としてセルフケア教育・研修を実施する
ことになりました。
 白書では、『20歳代の若者が「勤務問題」に悩んでいることは、自殺者
ばかりでなく、若年労働者全体に共通する傾向でもある。厚生労働省の
「平成24年労働者健康状況調査」によると、強い不安、悩み、ストレスを
感じていると回答した者のうち、「職場の人間関係の問題」、「仕事への
適正の問題」、「仕事の質の問題」に対して強い不安、悩み、ストレスと
して挙げている者の割合は、20歳代で高く、30歳代、40歳代と年を経る
ごとに低下していく傾向がある。また、「仕事の量の問題」については、
30歳代が最も高くなっているが、20歳代は30歳代に次いで高い割合で
ある。』と述べています。

 話は変わりますが、京都府は、昨年7月に若年労働者の就職の支援、ス
キルアップ、職場への定着のために、「京都府若者の就職等の支援に関す
る条例」を制定しています。
 この条例の中で、若者の職場への定着を支援するために社会保険労務士
会との連携をする旨も記載されています。具体的には、「就労環境改善・
職場定着推進事業」として、社会保険労務士が職場を訪問し、職場環境改
善や若者の雇用定着のためのアドバイスを行うというものです。本題のセ
ルフケア教育のお話からは、外れるかもしれませんが、若年労働者を支援
する枠組みは多々あることがわかります。
 新入社員が4月に入社されたとすると、6月で3ヵ月目になるかと思い
ます。
 若年労働者に対して、メンタルヘルス不調の予防のために、ストレスと
は何か、ストレスに気づき、ストレスを和らげるためにはどうしたらよい
か等を学んで頂くセルフケアの研修を実施することは、雇用定着のために
もプラスになると思います。
 実際にセルフケア教育について、企業様に概要をご説明しましたとこ
ろ、「今まではそのような研修をしていなかったが、制度を利用して、新
入社員向けに研修をお願いしたい」というご依頼も頂戴しています。
 新入社員、中途採用、異動された社員の方々は、環境の変化が大きく、
メンタルヘルス不調になられるリスクが特に高いと言われています。
 社員の方ご自身に、ご自分の心の健康(メンタルヘルス)に関心を持っ
て頂く良い機会だと思います。ぜひ当センターの新しい制度をご利用くだ
さいませ。

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◇ストレスチェック制度について◇
 *「こころの耳」に「ストレスチェック制度」についてまとめられて
  います。
  →http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou.html
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◆産業保健に関する各種研修会のお知らせ◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp/training

 ※6月~9月研修会を掲載しております。奮ってご参加下さい。
 ※当センターが実施する「産業医研修会」について、付与できる単位は
  「生涯研修」のみとなります。
  「基礎研修」を受講される方は、京都府医師会主催の研修会をご覧
  ください。
    http://www.kyoto.med.or.jp/member/sports/index.html
◆京都産業保健総合支援センターホームページ◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp
◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
◆図書・教材のご案内◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/material
◆産業保健新着情報◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/archives/news
◆メンタルヘルス対策支援サービスのご案内◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/mental
◆メールマガジン(バックナンバー)◆
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メールマガジン配信のお申込み、お断り、お問い合せ、ご質問等は
京都産業保健総合支援センターまで
  ○MAIL:info@kyotos.johas.go.jp 
  ○TEL:075-212-2600 FAX : 075-212-2700
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発行人:森 洋一
編集人:真下 尚之 info@kyotos.johas.go.jp 
編集協力:京都産業保健総合支援センター 産業保健相談員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp