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京都産業保健総合支援センター メールマガジン10月(219)号 2019/10/1
発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp/wp
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1)緑十字展2019(10月23日~25日)に出展します!
2)石綿関連疾患診断技術研修会のご案内
3)厚生労働省「職場の健康診断実施強化月間」の実施について
4)厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライ
ン」を策定
◇ 働き方改革と健康経営 ◇
産業保健(労働衛生工学)相談員 桑村 明男
2019年4月の「働き方改革」の3つの柱として
1.長時間労働の解消
2.非正規と正社員の格差是正
3.高齢者の就労促進
が示されました。
この背景にあるのが深刻な労働力不足です。
国立社会保障・人口問題研究所が発表した出生中位推計の結果から計算
すると、生産年齢人口は
2020年 約7490万人
2040年 約5990万人
2060年 約4800万人
となり5000万人を割り込みます。
このままでは、我が国全体の生産力低下、国力の低下は避けられません。
企業にとっても、慢性的な人手不足を抱え、退職者・休職者対策に追われ、
さらに本来なら従業員一人ひとりに合ったプログラムで人材育成を図り
たいところが、その余裕もないのが現状です。
そこで、この「働き方改革」を「健康経営」への取組みに関連付けてみて
は、と考えました。
「健康経営」の目的は4つあると思います。
1.生産性の向上
健康経営の取り組みを通じて心身共に健康で活躍できる社員が
増えれば、一人ひとりの生産性が向上し、企業の収益増につなが
ります。
2.医療コストの削減
健康経営の推進によって医療機関にかかる社員が減れば、健康
保険組合の医療負担も下がり、医療コストの削減が実現できます。
3.優秀な人材の確保
経産省が就職活動中の学生に実施した調査において、就職先に
望む勤務条件として「従業員の健康や働き方への配慮」を挙げる
学生が多かったそうです。健康経営に取り組む姿勢をアピール
することで、優秀な人材の獲得が期待できます。
4.企業イメージの向上
先に示したように労働人口が減少している中で、優秀な人材を
いかに確保するかは企業にとって重要な課題です。人材確保を
真剣に考えるなら、「従業員の健康を大切にしている」という
イメージは欠かせません。
では「健康経営」に実際に取り組むにはどのようなアクションを起こせば
いいのでしょうか。3つあると思います。
1.ルールづくり
従業員が健康診断やストレスチェックを確実に受診できるよう
ルールを作り、それを周知・徹底する。また、ジムに通うといっ
た健康活動を補助するルールを整えることです。
2.環境の整備
健康に配慮したオフィス、あるいは作業場作りです。
3.意識づくり
従業員が健康に意識を向けるように働きかけ、自ら健康になる
ためのアクションを起こせる「意識」を養うことです。
以上、紙面の関係で簡単にご紹介しましたが、健康経営の推進によって
働き方改革も促されることになります。その意味で、健康経営に取り組む
ことは企業にとって有益といえます。
メンタルヘルス対策促進員 市 綾美
私がメンタルヘルスの仕事に関わらせていただくようになって、かれこ
れ15年程経ちます。仕事を始めた頃は、職場におけるメンタルヘルス対策
の必要性を説明するのにかなりの言葉を費やしていました。その頃とくら
べると今はずいぶん理解が進み、説明する前から「メンタルヘルス対策は
必要」という意識がある会社が増えたように感じます。そこで、こちらも
ついつい説明を端折ってしまうことも最近では珍しくなくなりました。
しかし、実際にメンタルヘルスに関するサポートをさせていただくと、
基本的なことほどしっかり何度も説明しなければならないのだと、改めて
気づく瞬間があります。そこで今日は「なぜ職場においてメンタルヘルス
対策が必要なのか」を、復習の意味も込めてまとめてみたいと思います。
職場におけるメンタルヘルス対策とは、言うまでもなく「従業員が健康
で、やりがいを持って仕事ができる」ことを目的とした対策です。そして
それを行うことは、会社にとっても以下の点から意義のあることと言えま
す。
第一は「コンプライアンス(法令順守)」。メンタルヘルス対策は、労働
安全衛生法等に基づいた雇用管理のひとつです。
第二は「リスクマネジメント(危機管理)」。不調者が出ることで起こる
であろう、戦力喪失・人件費負担・周囲の士気低下・訴訟などのリスクを
低減させます。
第三は「CSR(企業の社会的責任)」。企業は社会や環境に貢献するだけ
でなく、社員の幸せに対しても責任を負っていることを忘れてはいけませ
ん。
そして、これらがポジティブに展開できれば、社員のモチベーション
アップ・離職率の低下・生産性の向上などにつながっていくというわけで
す。
ひとたび不調者が出れば、その上司・同僚・人事労務担当者・健康管理
スタッフなどへ様々な影響を及ぼし、やがてそれは会社全体へと広がって
いきます。そうならないためにも、メンタルヘルス対策の必要性を再認識
し、基本に立ち返って現在行っている対策を見直してみてはいかがでしょ
うか。
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◇ 第78回(令和元年度)全国産業安全衛生大会 ◇
「平安の思いを込めた京の地で 新たに誓う 安全と健康」をテーマに
10月23日(水)から25日(金)までの3日間、京都市において開催されます。
→ https://www.jisha.or.jp/taikai/index.html
また、同期間、京都パルスプラザで開催される緑十字展に出展します。
当センターブースでは「内臓脂肪」と「血管年齢」測定の体験コーナーを
設けますので、 これを機にご自身の身体について知り、健康対策を考えて
みませんか? 「産業保健ハンドブック(最新版)」を無料配布してますので、ぜひお立ち寄り
ください。なお、配布数には限りがありますので、お早めにお越しください。
→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/wp-content/uploads/2019/08/r1.10.23ryokujuji.pdf
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◇ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇
メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。
・管理監督者教育への講師派遣
・若年労働者教育への講師派遣
・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
関する支援
詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/mental
お申込→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/wp-content/uploads/2019/06/mental-s.pdf
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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇
当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
取り組む事業場の方からの相談に応じています。
→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/ryoritsu
*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
・京都大学医学部附属病院 毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
・宇治徳洲会病院 随時
・市立福知山市民病院 随時
・京都市立病院 随時
・京都医療センター 随時
・京都第一赤十字病院 随時
・京都岡本記念病院 随時 (2019.10より)
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◆産業保健に関する各種研修会のお知らせ◆
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/training
※R1.10~12月開催研修会を掲載しております。奮ってご参加下さい。
※当センターが実施する「産業医研修会」について、付与できる単位は
「生涯研修」のみとなります。
「基礎研修」を受講される方は、京都府医師会主催の研修会をご覧
ください。→http://www.kyoto.med.or.jp/member/sports/index.html
◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/about
◆相談のご案内◆
https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/consultation
◆図書・教材のご案内◆
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