健康情報"ほっと一息"
治療が必要になったときに知りたい情報 ⑥休職期間中に会社が行うこと(続き)
先月の続きですが、3)周辺者への配慮とは?
休職者の周囲の人の業務負荷が過剰になっていないかチェックし、サポートすることです。
休職者が出た職場では、他の従業員にそのしわ寄せがかかり、業務量や精神的な負担が増えることがあります。
所属長や管理者もそれらへの対応で負担が大きくなる可能性があります。そうですね。従業員間で不公平感を感じたり、モチベーションが下がったりするケースも見られます。
そのような事態を避けるためにはどのような配慮やサポートが必要でしょうか。
まず大前提として、日ごろから、職場で病気の治療と仕事の両立支援への理解を広めておくことが大切だと思います。病気になってもすぐに退職せず、必要な治療を受けながら働き続けられることを、経営方針として従業員に発信し、社内に浸透させていくことが大切です。
治療と仕事の両立支援のためのガイドラインにある「事業者による基本方針の表明と労働者への周知」ですね。休職者が出た職場での具体的対応は?
個人情報の取扱いに気を付け、本人の同意を得たうえで、必要な範囲に限定した情報(病気のためのやむを得ない休職であること、休職期間の見込み等)を開示し、周辺者の理解を得ます。
そして、一部の従業員の過度な業務負担にならないように業務量を調整するとか、場合によっては人員を追加することも必要かと思います。その際には、その部署だけでなく、人事労務担当部門や産業保健スタッフも交えた組織的な対応・支援が望まれますね。
はい。そのために常日頃から所属長や管理者は、各従業員の業務内容や業務量を把握しておくことが大切です。
治療と仕事の両立は、周囲の従業員や職場の理解があってこそ成り立ちます。
お互いに支えあう働きやすい環境づくりを目指したいですね。そうですね。周辺者への適切な配慮やサポートは、休職者にとっても安心して休職、復職できることに繋がります。
「お互いさま」の職場風土をつくっていきたいですね。
- 【参考資料】
- 松平浩 “治療と仕事の両立支援”活動・評価指標チェック30解説書 東京大学医学部附属病院22世紀医療センター(2020年)
→ https://ryoritsu-check.work/checksheet30.html
高橋都他「企業のためのがん就労支援マニュアル」労働調査会(2016年)