健康情報"ほっと一息"
治療が必要になったときに知りたい情報 ⑦休職期間中に従業員(休職者)がすること
9月、10月号では、休職期間中に会社が行うことについてお話しました。
今月は、従業員(休職者)が取り組むことについて考えてみましょう。
こんなことが考えられます。・現状や見通しの報告・復帰に向けた準備
休職期間中に、会社と疎遠になってしまうと復職しづらくなります。そのため自分から定期的に今の体調、今後の治療の予定などを報告するとよいでしょう。
つまり、会社とのコミュニケーションを続けることが大事なんですね。
会社も報告を聞くと「体調が安定してきたんだな。」「治療が次の段階に進んだんだな。」など、現状と見通しを把握することができるし、復職を受け入れる準備もしやすいですね。休職中も職場の基本「報・連・相」は重要です。もう1つは復職に向けた準備です。
休職前の生活習慣や体力へ徐々に戻していくということですね。
はい。具体的には、生活日記のような日々の記録をつけることをお勧めします。
①出勤することを想定した時間に起きられたかどうか?(起床・就寝時間)②出勤している時間帯にいつも通りの生活ができたかどうか?(どんな活動ができたか?)③心や体の疲れ度合いはどうだったか?(5段階で評価するなど)復職できるかどうか検討するには、まずこの①~③をクリアしておくことが大事ですね。
そうですね。9月号でもお話しましたが、復職は「主治医の診断書さえ出せばOK」というわけにはいきません。
「復職を認めるかどうか?」は主治医ではなく会社が判断することですね。
はい。ですので、主治医の意見が「復職可」であっても、「安全に労働させることができるかどうか?」は会社が検討することになります。
そこで、生活日記などの記録で、体調が回復し、勤務に合わせた生活を続けられることが確認できれば、会社も「復職させたいけど、今の体調がわからないから判断できない…。」と迷うことがなくなりますね。
はい。治療と仕事の両立を上手くやるには、会社と従業員が情報を伝え合うコミュニケーションがカギになります。
- 【参考資料】
- 桜井なおみ 藤田久子監修 ワーキングサバイバーズハンドブック①
- 中外製薬株式会社(2020年3月改訂)