健康情報"ほっと一息"
治療が必要になったときに知りたい情報 ⑯社会保険労務士の活用
今月は8月から労働衛生専門職に着任した弓削晴美社会保険労務士に登場していただきます。
弓削さん、社会保険労務士(社労士)ってどういう人なのでしょうか?社会保険や労務管理に関する指導や助言を行うことができます。
社労士という資格は、社会保険労務士法に基づいた国家資格です。治療と仕事の両立支援では、どのような関わりができるのでしょうか?
まず、従業員(患者)に対しても事業場に対しても関わることができます。
どんなことができますか?
1つは「社会保険制度」についての情報提供です。
健康保険、年金保険、雇用保険‥などですね。
そうです。「健康保険」では、医療費が多くかかった場合の高額療養費制度、休職する際の傷病手当金など、「年金保険」では障害年金や老齢年金、「雇用保険」では退職した場合の失業手当など、その人に適した制度の説明、手続きの仕方についてご案内しています。
他には?
もう1つは「労務管理」についてのお話です。
病気になったら、「患者」と「従業員」という2つの役割を持つことになりますね。
労務管理というと、従業員としての立場に関する情報ですね。そうです。会社と従業員の間には雇用契約や就業規則が存在します。
意外と、そういうルールを詳しく知っている人は少ないですよね。
そうなんですよ。社長さんも、従業員が病気になって初めて、自分の会社の就業規則や休職制度をきちんと確認することもあります。
両立支援の相談ではどんな情報提供をしますか?
従業員(患者)ご自身や事業場の担当者に対して、事業場内のルールを確認するようご案内します。
例えば、休んで治療する場合は、有給休暇があと何日残っているか、就業規則上の病休の制度や休職期間、復職するときのルールが決められているかどうか、などです。そうすることで、今後の治療の計画と働き方の見通しを考えやすくなりますね。
治療と仕事の両立には、病気や体調のことはもちろん、お金のこと、職場との関係、仕事を続けられるか?‥など色んな問題が次々と出てきます。
まずは困りごとを整理することから、社労士も活用し、保健師や看護師、ソーシャルワーカー、人事労務担当者など多職種で連携して一緒に考えていきたいですね。
お気軽にご活用ください。