健康情報"ほっと一息"
治療と仕事を両立するための情報④ 休んでいる間に貰えるお金、払うお金は?
先月は、会社を休むための制度の話でした。
休む制度がわかったら、今度は休んでいる間も給与が支払われるのか?とか、毎月給与から天引きされている保険料の支払いはどうなるのか?とか心配になりますね。
今月は、その辺のお話をしましょう。
まず、年次有給休暇を使って休む日の給与については、就業規則等の規定に基づいた計算で給与が支払われます。
「有給」休暇ですもんね。
では、会社によって期間が定められている休職期間1)の給与はどうでしょう?私傷病による休職期間の給与の有無については、就業規則、労働契約の内容によりますが、無給となる会社が多いようです。
その代わり、加入している健康保険に請求すると、私傷病のため働けない状態にあった日(1つの傷病につき通算して1年6か月)について、傷病手当金が貰えますね2)。
はい。傷病手当金については別の回でも触れたいと思います。
次は労働者が払う制度について考えてみましょう。私たちの給与明細を見ると、毎月、社会保険料が天引きされていますね。
厚生年金保険料、健康保険料などですね。普段、自分がどれくらい払っているかは、給与明細を見ておくといいですね。
これらについては、休職期間中は免除されるのでしょうか?
休んでいる間も被保険者の資格は継続するため、免除の制度はありません3)。厚生年金保険料、健康保険料(40歳以上は介護保険料も含む)は元々、従業員と会社が半分ずつ支払っています。休んでいる期間も従業員、会社とも支払いは必要です。
雇用保険料はどうですか?
雇用保険料については、給与が発生した場合に、従業員負担分、会社負担分の支払い義務がありますが、給与が発生しない月はありません。
住民税、所得税はどうでしょう?
住民税は前年度の収入をもとに計算されて支払うものなので、休職中も支払義務があります。一方で、所得税は給与が無い月には支払う義務はありません。
また、傷病手当金は非課税所得なので、所得税はかかりません。休むことになって初めてわかるお金の制度ってありますね。
普段から、ちょっとだけでも知っておくといいですね。
- 1)
- 休職制度は法律で定められている制度ではないため、無い会社もあります。
- 2)
- 保険者が自治体である国民健康保険には傷病手当金制度はありません。
- 3)
- 産前産後休業中、育児休業中の保険料については従業員分及び事業主分とも免除される制度があります。
- 【参考資料】
がんと仕事のQ&A(国立がん研究センターがん対策情報センター) - https://ganjoho.jp/public/support/work/qa/