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【両立支援に生かしたい‼『就業規則』について考えよう】③病気休暇制度について
風邪など一時的に体調が悪い時は、年次有給休暇(以下、有給休暇)を使うことが多いですが、治療や副作用で連続して休む場合の制度はありますか?
今回は、有給休暇以外の制度として病気休暇制度について説明します
病気休暇・私傷病休暇・治療休暇など事業場によって名称も様々ですね(以下、病気休暇)
そうです。病気休暇は、有給休暇のように労働基準法で定められているわけではなく、事業者が自主的に設ける休暇です。入院や通院治療、病気の症状や副作用などによる体調不良で出勤できない場合などのために、有給休暇とは別に休暇を付与するものです。
そのため、制度がある事業場と無い事業場があるのですね。
制度の有無については、就業規則を確認してみましょう。取得単位(1日や1時間など)、対象者や取得条件、有給・無給などの制度設計も事業者が自由に行っています。
これから制度を導入する場合の留意点はありますか?
事業者は、一定の期間中(1年以内など)に取得できる日数の上限(例:60日)や翌年への繰り越しの可否、賃金の支払いの有無、診断書の提出義務等についても、あらかじめ決めて就業規則に載せておく必要があります
事業場によっては、90日など豊富な制度がある場合があります。全部使った場合、次年度の有給休暇はどう考えればよいでしょうか
有給休暇は、雇い入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全所定労働日の8割以上出勤した労働者に対して最低10日を与えなければなりません。
全所定労働日の8割以上出勤ですね…。2割以上休むと付与されないのでしょうか?
有給休暇の付与時の出勤率の計算には、病気休暇を取得した日について①出勤として取り扱う、②欠勤として取り扱う、③全労働日から除外する(分母からも分子からも除外)という3つのパターンが考えられます
法律上の決まりはなく、事業場で決めることなのですね
はい。そのため、就業規則に明示するとともに、制度を使おうとする労働者にあらかじめ説明しておくと、安心して制度を利用できますし、トラブルの防止にもなります。
トラブルを避けるためにも、就業規則への明示、早めの説明が大事ですね
【引用文献】
- 厚生労働省労働基準局監督課.“モデル就業規則(令和5年7月)”.モデル就業規則について.2023⁻07.
- 001018385.pdf (mhlw.go.jp)
- 神奈川産業保健総合支援センター.“治療と仕事の両立のための就業規則 規程例集”.治療と仕事の両立支援事業.2023-03.
- https://www.kanagawas.johas.go.jp/files/libs/2397/202304261335406545.pdf(参照2024-7-12)