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【両立支援に生かしたい‼『就業規則』について考えよう】⑥試し出勤制度について

  • 試し出勤制度という制度を聞くことがあります。

  • リハビリ出勤制度と言ったり、職場によって呼び方や定義は様々です。事業者が自主的に設ける勤務制度で、長期間にわたり休業していた労働者に対し、円滑な復職を支援するために、勤務時間や勤務日数を短縮した試し出勤等を行うものです1)

  • 長く休んでいた労働者は、復職に対して様々な不安を感じます。自身の体調や職場の状況を確認しながら復帰を進められるというメリットがありますね。

  • 受け入れに不安を感じている職場の関係者にとっても、制度があることで不安を解消し、円滑な就労に向けて具体的な準備を行うことが可能となります。

  • 試し出勤は①休職期間中 ②復職後 どちらに行うものですか?

  • どちらの場合もあります。ただし、しっかり制度設計することが大事です。

  • ①休職期間中とする場合のポイントは?

  • 復職可否判断の参考とすることができますが、休職期間中ですので労務提供とならない内容(読書など)とする必要があり、賃金の支払いは生じません。また、労災保険の対象にもなりません。

  • 交通費の支払いなどもルールを定めておく必要がありますね。
    ②復職後に試し出勤をする場合のポイントはどうでしょう?

  • 復職後のフォローアップ期間として実施され、労務提供となるために賃金の支払いが生じます。

  • いずれにしても、制度の適用期間や、試し出勤中に体調不良や欠勤があり、復職可能な状態にないと判断された場合の対処など、事前に定めておくことが大事ですね。

  • そして、復職を希望する労働者に対して、文書などで制度についてきちんと説明をしましょう。

  • このような制度が無い場合、労働者はどうしたらよいでしょう?

  • 休職期間中に、自分で勤務に近い状況(時間・行き先・作業内容)を設定して活動し、体力や集中力、疲労の回復具合(翌日までに疲れが残らないか?)を試し、訓練することをお勧めします。

  • 生活記録表をつけると回復具合を職場にも説明しやすいですね。

【引用文献】
1)厚生労働省 事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン 令和6年3月版https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001225327.pdf (参照2024-10-11)
【参考文献】
神奈川産業保健総合支援センター.“治療と仕事の両立のための就業規則 規程例集”.治療と仕事の両立支援事業.2023-03.https://www.kanagawas.johas.go.jp/files/libs/2397/202304261335406545.pdf (参照2024-10-11)