健康情報"ほっと一息"
熱中症 仕組みを知って対策を
暑い…み、水~(外出から帰ってきた副所長、入り口でしゃがみ込む)
あらら、副所長、熱中症かしら? はい、経口補水液。
松田さん、こんなにフラフラで外から帰ってきたんだから、ペットボトルの蓋くらい開けてくれたらいいのに~。
対応がクールだねえ。副所長の熱中症がどの程度か観察していたんですよ。ペットボトルを渡してちゃんと開けられるか、口まで運べるか、むせずに飲めるか。それができなかったら意識レベルが正常ではないと判断して病院へ連れて行くところでした。
ちゃんと自分で飲めたしもう大丈夫!ありがとう。
良かったです。ここで熱中症についておさらいしましょう。
私たちの身体には体温を一定に保つ仕組みが備わっています。暑いとき、皮膚表面の毛細血管を広げて熱くなった血液を体表面に行きわたらせて「①放熱する」。また、汗をかいて汗が蒸発する際の気化熱として「②体表を冷やす」。この2つの機能で身体の中に熱がこもらないようにしています。この機能がうまく働かなくて、体温が上がってしまい、いろいろな症状が出てくるのが熱中症だね。
はい。①の放熱は血液、②の体表を冷やすのは汗の仕事ですが、血液の約90%、汗の約99%が水分です。だから脱水状態にならないように水分補給が必要なんです。
働く環境にも注意しておかないとね。35℃を超える猛暑日などは、皮膚からの放熱で体温を下げるのは難しい。さらに、気温が30℃未満でも湿度が高くて蒸し暑いときは、身体からうまく熱を逃すことができないから油断禁物!
それと、暑さに身体が慣れていない労働者も要注意。身体が暑さに慣れる(暑熱順化)には1週間程かかるし、休みが続くとまた元に戻ってしまいます。
できる限り暑さを和らげる環境づくりを工夫したり、脱水状態にならないように水分・塩分をこまめにとる、暑さに順化するまでは作業時間を短くしたり休憩を多めにとるなどの対策が大事だね。
はい。熱中症が起こる仕組みを知ると、具体的な対策もイメージしやすいですね。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず )。
熱中症についても自分の身体の機能についてもしっかり把握していれば、大丈夫ということかしら?
そうです。よし!また炎天下で戦ってくるぞ~。
ふ、副所長、いったいどこで何を~~??
- 【参考文献】
- へるすあっぷ21 8月号「熱中症を防ぐ!」株式会社法研(2017年)