当センター事業のご紹介

治療と仕事を両立させるための具体的な支援策 ①勤務情報提供書

 平成28年2月に厚労省が「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン(以下、ガイドライン)」を出しました。ねらいは「主治医が就業上の措置等について判断できるよう、患者の仕事の情報が主治医に伝わるようにすると同時に、就業上の措置等に関する主治医の意見が事業場側に伝わるようにすることで、スムーズな情報のやりとりを図り、両立支援が円滑に進むようにする」ことです。

 ある労務担当の方の話です。「主治医に相談すると『仕事のことは産業医に聞いて』と言われ、産業医に相談すると『病気のことは主治医に聞いて』と言われた。労働者も生活があるし働いてもらいたいが、事故のリスクを考えると判断に困る‥。」治療の現場では「働く」ことに触れられず、仕事の現場では「病気」について触れられない‥ということが起こっていました。

 労働者(患者)を主体として、病院、事業場が円滑に情報交換を行うために、このガイドラインは活用できます。

 就業について主治医に意見を求める際、「どんな働き方をしているのか?」を伝えなければ、意見の出しようがありません。ガイドラインでは「勤務情報を主治医に提供する際の様式例(勤務情報提供書)」を例示しています。職種、職務内容、勤務時間、通勤方法などの記載欄に加え、「労働者・事業者が作成する際のポイント」と「(この提供書を受け取った)医療機関が確認する際のポイント」も解説しています。

 「誰が書くのか?」については、様式の下欄に本人と会社の署名欄があり、両者が協力して書くことをお勧めします。

 ガイドラインは今年3月に改訂版が出ており、厚労省や当センターのホームページからダウンロードできます。

厚生労働省 治療と仕事の両立について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html