当センター事業のご紹介
治療と仕事の両立支援:こんな相談がありました①労働者(患者)から
治療と仕事の両立について、当センターでは電話や面談で相談をお受けしています。また現在、京都府内の10のがん拠点病院と協定を締結し、相談窓口を開設しています。内容は様々ですが、相談の傾向について連載でご紹介します。
今回は労働者(患者)の立場からの相談。ある方は、はっきり診断も治療方法も決まっていない段階で「会社に迷惑をかけるから辞めようかな。」と話されたので、「決めるのは早いですよ!」とお伝えしました。これは珍しいことではなく、治療を担当する医師からも「事前の相談なく、診察日に突然『会社は辞めました。』と言う患者さんは多いんですよ。辞めなくてもいいのに‥。」というお話を伺いました。
今は手術しても入院期間が短く、抗がん剤治療も外来で受けられる時代です。事業場にとっても、辞める必要のない貴重な人材が抜けてしまうのは大きな痛手になるのでは?治療を受けながら働く方法を一緒に考えましょう。
「入院するけど休み方がわからない。」という相談もあります。普段、殆ど休まずに働いている方は、「休むこと」に関する会社の制度を知る機会が少ないようです。休暇や休職制度の有無やその期間について就業規則を確認してもらい、有給休暇の残日数や傷病手当金について人事担当者に相談するようお勧めします。
事業場と話をする前にネガティブな想像をしてしまい「面談って言われたけど何を言われるのかな?辞めさせられるのでは?」という不安を話される場合もあります。その場合は、ガイドラインを紹介しつつ「事業場として、今後の働き方や配慮が必要な事項を検討するために把握したい情報(治療スケジュールや症状等)があるのです。」と説明しています。