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治療と仕事の両立支援とは③がんと就労に関する法律

 2006年にがん対策基本法が成立し、翌年「がん対策推進基本計画(第1期)」が定められました。しかし、第1期計画の全体目標は「がんによる死亡者数の減少」「すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上」であり、がん患者の就労に焦点が当てられたのは、2012年の「がん対策推進基本計画(第2期)」です。重点課題に「働く世代や小児へのがん対策の充実」が追加されました。

 2015年には、がん対策加速化プランにおいて、短期集中的に実行すべき具体策(3つの柱)の中に「がんとの共生(就労支援)」が明示されました。そして、2016年の改正がん対策基本法では、国や地方公共団体、国民や医師等と並び、初めて「事業主の責務」が加えられました(第八条:事業主は、がん患者の雇用の継続等に配慮するよう努めるとともに、国及び地方公共団体が講ずるがん対策に協力するよう努めるものとする)。

 2017年の働き方改革実行計画は広く知られていますが、その中に「病気の治療と仕事の両立」があることはご存知でしょうか?また、同年のがん対策推進基本計画(第3期)でも引き続き、「がん患者の就労支援・社会課題への対策」を掲げています。

 2018年の労働施策総合推進法(雇用対策法が元)では、労働者の多様な事情に応じた雇用の安定と職業生活の充実等の目的を達成するために「病気の治療と仕事の両立支援」が、国が総合的に講じるべき施策の1つとして明確に位置付けられました。

 治療と仕事の両立支援は、上記のような施策に沿って進められています。当センターも事業場や医療機関と連携して、啓発セミナーや個別の相談など、様々な活動を拡げていきたいと考えています。