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治療と仕事の両立支援とは④働き方改革と両立支援

 2016年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」では、誰もが活躍できる全員参加型の社会が謳われています。この実現に向け、社会の発想や制度を大きく転換する最大のチャレンジとして2017年3月に決定されたのが「働き方改革実行計画(以下、実行計画)」です。

 「病気の治療と仕事の両立」は実行計画のひとつのテーマです。病気を患った方々が、生きがいを感じながら働ける社会を目指し、社会の意識改革と受け入れ体制の整備を図るとともに、「主治医、会社・産業医と患者に寄り添う両立支援コーディネーターのトライアングル型のサポート体制を構築する」とあります。

 トライアングル型のサポート体制では、患者(労働者)を中心に、病院、職場、両立支援コーディネーターが三角形に連携する形をとります。これまで、患者(労働者)は病院と職場の2つの領域の行き来を要するにも関わらず、治療の情報と仕事の情報(職務内容などの勤務情報)は十分に共有されていませんでした。主治医には仕事の情報が伝わらず、職場には治療の情報が伝わらない‥これでは治療と仕事の両立は難しい。そこで考案されたのが病院と職場の連携をサポートする両立支援コーディネーターです。独立行政法人労働者健康安全機構が全国で開催する養成研修(両立支援コーディネーター基礎研修)では、医療・産業保健・労務管理・社会資源など、コーディネーターとして必要な知識を習得するための研修内容をプログラムに組んでいます。

 京都産業保健総合支援センターでは産業保健専門職の私と、両立支援促進員の2名がコーディネーターの役割を担っており、個別の相談や働き続けるための職場環境の整備などのサポートを行います。