産業保健コラム
粂 ゆかり
所属:社会保険労務士 粂ゆかり事務所
専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
笑いの効用
2024年2月1日
笑いには心身の健康に良い効果がたくさんあります。笑うことで、脳内ホルモンが分泌されて幸福感が増し、ストレスホルモンが減って自律神経のバランスが整うのだそうです。笑うことで、呼吸が深くなり酸素の摂取量が増え、血行が良くなり、血行が良くなることで免疫力がアップするともいわれています。また、笑いはエイジングケアにも効果的だとか。笑顔が見た目の年齢を若く見せるのですね。笑いが認知症や糖尿病などの予防や改善にも役立つという研究結果もあるようで、脳を活性化させ、記憶力や創造力を高める効果があるようです。
私事で恐縮ですが、先日、日ごろの不摂生が原因で「帯状発疹」を発症してしまいました。「帯状発疹」は、水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症で、神経に沿って痛みや水疱が出る病気です。過去に水痘(水ぼうそう)にかかった後もウイルスが神経に潜んでおり、免疫力が低下すると再活性化して発症するのだそうです。病院で一週間分の薬をもらい、自宅療養していましたが、まあ痛いのなんの・・・。特に夜中に痛み出すことが多く、眠りが浅くなり睡眠不足が続きました。ただ、途中から「どうせ眠れないのであれば」と「落語」のCDを聞きながら就寝することにしました。私は昔から落語を聞くのが大好きで、お気に入りの落語家さんの高座をTVやDVDで見たりCDを聞いたりしていました。落語を聞くことで「痛くて眠れない」状態から、夜中に一人「くすくす」笑い、気持ちが落ち着き、いつの間にか眠りについていたという日が増え、思っていたよりも早く症状が回復しました。ただし、夜中の「一人笑い声」、家族にとっては不気味でしかなかったと思います。
落語は、聴覚刺激による笑いが多く含まれる芸能ですので、ストレスホルモンを減らしてリラックス効果をもたらし、脳の活性化や老化防止にも役立つといわれています。聞き手の想像力や記憶力、理解力、判断力などの認知機能を刺激し、落語のストーリーや言葉遊びを理解するために、脳の前頭前野や側頭葉などの部位が活発に働くのだそうです。実は、私は落語好きが高じて、数年前から月に一度、プロの落語家さんの落語教室に通っています。落語を覚えて噺すことは、記憶力や話術、想像力などを鍛えることになります。落語を覚えるときも、状況や感情をイメージしながら覚える必要があり、これは、脳の様々な部位を活性化させることになるのだそうです。また、落語は「自分の言葉で噺を表現」することが求められますので、結果的に自分の考えや感想を伝える話術を磨くことにもなり、私自身もビジネスや人間関係など、様々な場面で役立っていることを、少なからず実感しています。
「落語」はさておき、みなさまも一日一回大笑いして、「笑いの効用」を実感してみませんか。
粂 ゆかり