産業保健コラム

山下 恵子


所属:K・ヤマシタカウンセリングルーム 代表

専門分野:看護師・シニア産業カウンセラー・公認心理師

ごあいさつ

2022年4月1日

はじめまして。4月から相談員に就任いたしました、山下恵子と申します。
私は、昨年の3月末まで、金融機関の看護職として35年間勤務してきました。 入社は1986年です。前職が手術室の看護師でしたので、産業看護職の業務は一からで、実際何をしたら良いのかわからない中で手探りでの状況でした。
 当時のことを思いだしちょうどこの原稿を書きだしたときに「産業精神保健学会」から学会誌が届きました。その中に 廣 尚典先生の「産業精神保健の礎を築いた人々」という記事が出ていました。第5回目でちょうど私が産業看護職として前職についたころからのお話です。THPに始まり、行政からの指針として「職場における労働者のこころの健康づくりのための指針」・「労働者のこころの保持増進のための指針」そして、最近では2015年に制度化されたストレスチェックなどのことが書かれていました。
 私自身が社員のメンタルヘルスに関わることになり、行政から出される指針をもとに、現場でどのように運用していくのかを、人事部の方や産業医と協議しながら進めていったことを思い出しながら読ませていただきました。そして産業精神保健に関して色々な先生方の大変なご尽力があったことも改めて認識致しました。

 産業現場で起こる様々な問題は現在の京都産業保健総合支援センターの相談員の先生方に相談しながらなんとか乗り越えてきました。
 特にメンタルヘルスに関しては、勤務していた35年の間に大変大きな変化を感じながら仕事をしていました。必要に迫られカウンセリングの勉強を始め、シニア産業カウンセラー・公認心理師の資格を取得しました。そして実際に社員のカウンセリングを実施し、休職中の社員の支援や復職支援などを主な仕事として担当していました。その中で起こった様々な問題を相談員の精神科の先生や臨床心理士の先生に伺いながら、解決に向けていった事例を多数経験しました。最近は会社の中で「発達障害」に関する問題が出てきて、そういった事例も経験しました。
 今回、相談員に就任させていただいたわけですが、長い産業現場の経験を踏まえたお答えが出来るということだけが一番の自分の強みではないかと思っています。
 現在はカウンセリングルームにて個人カウンセリングを実施しています。また心理療法のひとつである「森田療法」の電話相談員として活動しています。そして、就労移行支援事業所で精神障害を持った方の医療連携の面談等も実施しています。
 今までの経験を活かし、今後も自己研鑽を続け、少しでも皆様のお役に立てるよう努力していく所存です。どうぞよろしくお願い致します。

山下 恵子