産業保健コラム
岩澤 正明
所属:岩澤労働衛生コンサルタント事務所
専門分野:労働衛生コンサルタント・産業カウンセラー
今こそ誠実でポジティブな行動の実践を!
2018年10月1日
爽やかな秋、味覚のシーズン到来です。美味しいものを探して楽しみ
たいものです。今年の夏は猛暑に加え豪雨や台風そして地震などが続き、
厳しい夏と激しい自然災害の連続でした。身近に危険を感じながら、
あっと言う間に月日が経っていきます。被害に遭われた方々がまだまだ
大変な状況が続いていることを忘れずに、一刻も早く復興できるよう、
少しでもお手伝いができればと考えています。
差し迫る自然災害のリスク、スポーツ界や企業の不祥事などのニュースが
取り巻く社会。こんな時こそ、スポーツ選手は良い試合をして人に感動と
勇気を与え、企業は誠実に行動し、いい製品を作り出すことが日本の経済を
盛り上げることに繋がるのです。そして一人ひとりがポジティブに成らな
いといけないと思います。
そうした現状の中で、働く環境を見ると、過労死問題や自殺者数の
高止まり、メンタルヘル不調者の労災申請増加など、就業環境での課題が
山積みの状況が続いています。
今年は、国が進める第13次労働災害防止計画の初年度で、過労死や
メンタルヘルス不調への対策が挙げられています。働き方や適度な休息の
取り方などを、自分のこととして真剣に取り組むことが急務です。
併せて建設業のメンタルヘルの取り組みも示されました。この中で興味を
引いたのは、メンタルヘルスの取り組みが災害防止に繋がるということ
です。安全と衛生は車の両輪と言われる所以でしょう。
健康KYは基本なことであり、大事な声かけです。朝礼でリーダーが
「よく眠れたか?」「おいしく(ご飯を)食べたか?」
「体調はよいか?」顔色を見てその日の体調をチェックする。
いつもと違う『気づき』から、リーダーは更に詳細な面談を行い、必要な
措置をとる。他の現場にも流用できる有意義な内容です。
言うまでもなく、メンタルヘルス対策の基本は、挨拶からはじまる
コミュニケーションの向上、上司からの体調面の声掛け、悩んだ時の
親身になった相談などであり、ごく当たり前のことです。現場に落とし
込み、実践できることが重要です。
職場では仕事の厳しさ、時として悪化した人間関係が発端で問題が発生
することが増えています。人は困難に直面したら、お互い助け合い解決し
ていくことが本来の姿です。これを忘れてはいけないと私は思っています。
そして「ありがとう」という言葉が、飛び交う職場が何よりも、仕事の
成功につながり、会社や組織の永続的な繁栄に結びつくものと信じています。
岩澤 正明