産業保健コラム
小澤 裕美子
所属:オザワ社労士事務所
専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
新年度を迎えて
2021年4月1日
新年度が始まりました。私は日頃は社会保険労務士として仕事をしています。新年度スタート前の3月に社会保険労務士にかかる倫理研修を受講しました。この研修は社会保険労務士会の会則により、会員が5年に1度必ず受講しなければならない義務研修です。従来は各都道府県会での集合研修でしたが、今回は新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、eラーニングとなりオンラインで受講しました。「社会保険労務士に求められる職業倫理」というテーマの中で、不適切広告や情報発信、業務委託契約時の不備による依頼者とのトラブル、助成金の業務や障害年金の業務にかかるトラブル及び不適切な対応等について受講しました。昨年度は新型コロナウィルス感染拡大の経済的な打撃により、雇用調整助成金等の助成金手続が複数ありました。これは私だけではなく多くの社会保険労務士も同じ状況だったと思います。雇用調整助成金は昨年4月から6月頃までは特に要件の変更が相次ぎ、確認のため行政へ電話をしても繋がらず、要件の理解や把握に右往左往しました。「休業とは?」「休業手当とは?」ほとんどの事業主の方々にとっては初めての対応だったため、戸惑われ何度も説明を求められました。倫理研修で何度も繰り返された条文があります。社会保険労務士法第1条の2「(社会保険労務士の職責)社会保険労務士は、常に品位を保持し業務に関する法令及び実務に精通して公正な立場で誠実にその業務を行わなければならない。」です。この職責を私は果たせているだろうか、と改めて振り返る機会になりました。研修の中で「社会保険労務士としての『立ち位置』を確認することが大切である」旨のコメントがあったのですが、今年度も促進員として、社会保険労務士として『立ち位置』を踏まえながら活動していきたいと思っています。
小澤 裕美子