産業保健コラム
金丸 京子
所属:金丸社会保険労務士・行政書士事務所
専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・2級キャリアコンサルティング技能士
「あなたは健康ですか?」令和6年版厚生労働白書から
2024年12月2日
令和6年版厚生労働白書(令和5年度厚生労働行政年次報告)が、令和6年8月27日に公表されています。
「あなたは健康ですか?」という言葉から始まる「はじめに」の章には、興味深い文章が次のようにいくつも見受けられます。こころの健康は、人間の健康を支える土台であるとともに、社会とのつながりにも深く関係している(以下略)。こころの健康と社会のつながりには、相互性がある。私たち一人ひとりは同じ社会に暮らす隣人の健康に対して決して無関係ではないともいえよう。こころの健康は、すべての人に関係があり、私たちの社会においても大切なテーマである一方、身近な課題であるが故に、まっすぐに向き合うことが難しいテーマであったかもしれない。
その上で、次のように述べられています。
そこで厚生労働白書第Ⅰ部では、「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」と題し、厚生労働白書としては初めて、こころの健康について論じることにした。 (以下略)
私は、平成22年8月より京都産業保健総合支援センター(通称「産保センター」と呼ばれています。)の(旧)メンタルヘルス対策促進員(現在:メンタルヘルス対策・両立支援促進員)として、ご依頼をいただいた京都府内の事業所を訪問し、例えば「管理監督者向け・若年労働者向けメンタルヘルス教育の実施」として、働く人ご自身や周囲の方々の健康について理解を深めていただけるような研修を行ったり、事業所を休職された方が復職できるよう、事業所の「職場復帰プログラムの作成支援」をしたり、あるいは働きやすい環境づくりの一助となるであろう「心の健康づくり計画の策定」支援をさせていただいております。これらの事業については、平成22年8月頃にはまだなかったように思います。
今年の厚生労働白書がこころの健康について、最初に、そして深く丁寧に取り上げたように、働く人の取り巻く環境が目まぐるしく変化している中で、産保センターの事業も、より一層充実してきたことが、自身の支援活動を振り返る中で実感することとなりました。
改めて産保センターの事業について、その重要性や意義について自分なりに再整理し、なお一層働きやすい、風通しの良い職場環境づくりの一助となれるよう、微力ながら精一杯頑張りたいと思います。
産保センターの事業は、上述にご紹介したもの以外にも「治療と仕事の両立支援サービス」等があり、HPでご確認いただけます。是非ご活用いただけましたらと存じます。なお厚生労働省の外郭団体でございますので費用はかからずご安心いただけますことも念のため申し添えます。
金丸 京子