産業保健コラム

金丸 京子


所属:金丸社会保険労務士・行政書士事務所

専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・2級キャリアコンサルティング技能士

若年労働者向けメンタルヘルス教育、治療と職業生活の両立支援等の 活動について

2016年11月1日

 厚生労働省の平成26年6月公表の「働きやすい・働きがいのある職場づ
くりに関する調査結果」において、中小企業で働く常用労働者に対し、同
僚がどんな理由で離職する場合が多いかを聞いたところ、「賃金が不満」
(44.3%)、「仕事上のストレスが大きい」(37.4%)、「会社 の経営
理念・社風が合わない」(25.3%)、「職場の人間関係がつらい(職場で
のいじめ、 セクハラ・パワハラを含む)」(24.4%)といった労働条件、
仕事のストレス、職場の人間関係に関するものが上位を占めている。との
ことです。

 これは、裏を返せば、労働条件や仕事のストレス、職場の人間関係を改
善する努力をしていけば、社員が定着していけることにつながる、という
ことでもあります。

 経済的な視点から考えれば、一人の社員が定着せず早期に退職してしま
うと、人を新たに採用するコストや一から仕事を覚えてもらう必要がある
など様々なコストを必要とします。又、離職率の高い職場の場合、いつ一
緒に働いている社員が退職するのかと不安に感じ、それゆえに職場全体も
落ち着かず、どっしりと仕事に取り組みにくいということにもなりかねま
せん。

 当センターでは、今年度の事業として新たに「若年労働者向けメンタル
ヘルス教育の実施」や「治療と職業生活の両立支援」が加わっています。
私たち促進員が京都府内の事業所様へお伺いしますので、是非ご活用いた
だけたらと思います。

 教育訓練の実施で、ストレスによる理解やその対処法、また自分自身で
抱え込みすぎず、相談を早めにしていただくことで深刻な事態を防いでい
くといった色々な気付きにつながり、社員の皆様が、「もう少し頑張って
みよう。」という意欲や意識につながればと、メンタルヘルス対策促進員
の一人として強く願っています。

金丸 京子