産業保健コラム

西村 和記


所属:SRオフィス西村

専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

表現したいことと表現方法につきまして

2019年11月1日

①何してるの!②早くして!③この作業は丁寧さよりテキパキさが大事
だよ。
①~③はすべて伝えたいことは同じですが、表現が違います。どの表現が
相手に納得の上、伝わりやすいかといえばやはり③ではないでしょうか。
①違うだろ!②こうしてね。③こうすると楽にうまくいくよ。これらも
伝えたいことは同じです。

 

仕事中に同僚や部下に指示をするときや何かを伝えようとするとき、
自分の習慣や相手への心の態度や会社の文化や自分の人生の姿勢が表現
されてしまうことがあります。
①のような表現では、具体的に何をすればよいか伝わりませんので、
言われた相手は戸惑うだけになりかねません。場合により委縮します。
部下に作業指示をするときに、自分の習慣や自分の感情を優先し、そこに
相手への配慮がないと上記のような表現がされることがあります。
そのような時、周囲の人が注意を促せるような環境が望まれますし、また
組織として目指す方向を示しておくと効果的です。

 

産業保健総合支援センターの支援事業の一つに管理監督者向けメンタル
ヘルス教育がありますが、その中にこのような表現の仕方のコツといった
内容を含めさせて頂くことがあります。
逆に、上記のような表現を受ける側の理解を若年労働者向けメンタル
ヘルス教育で取り上げさせて頂くこともあります。「早くしろ!」と職場
でいきなり言われることがあると、タイミングによりイラッとする事も
あるかもしれません。しかしその人が業務上の指示をされており、作業を
滞りなく進めたいとの気持ちからの表現であり、業務に向かうその人の
生真面目さの表れと受けとめられると、その人の表現やそのありかたを
許している組織を残念に思う事はあるにしても、その人の業務に向けての
姿勢については理解できることがあります。表現の背景にある思いに着眼
するようにご説明することがあります。

産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策支援サービスの個別
支援や管理監督者教育、若年者教育への講師派遣は無料で行われています。
どうぞご利用いただきますようお願い致します。

西村 和記