産業保健コラム
三岡 千賀子
所属:三岡千賀子社会保険労務士事務所
専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
良い睡眠のためには、環境づくりも重要です
2015年9月1日
寝苦しい暑さもピークを越えたようですが、睡眠は十分でしょうか?
昨年改定された「睡眠指針2014」(厚生労働省)は、ライフステージ・ライフスタイル 別、生活習慣病やこころの健康に関する記載があり、参考資料では科学的根拠が提示さ れています。
≪健康づくりのための睡眠指針2014 ~睡眠12箇条~≫
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
睡眠環境は、睡眠の質と関係することから、寝室の温度、湿度、騒音、光、寝具、寝 衣などについては季節に応じた環境を整えることが大切です。
環境温が低過ぎると、手足の血管が収縮して皮膚から熱を逃がさず体温を保とうとし ますが、温度や湿度があまり高いと発汗による体温調節がうまくいかず、皮膚から熱が 逃げていきません。高過ぎても低過ぎても、身体内部の温度が効率的に調整されないために、寝つきが悪くなります。寝具・寝衣を用いて就寝する場合の許容室温範囲は 13~29℃、寝床内で身体近傍の温度が33℃前後になっていれば、睡眠の質的低下はみら れないとされています。温度や湿度は、季節に応じて心地よいと感じられる程度に調整 しましょう。 就寝前の寝室の照明が明る過ぎたり、明るさが同じでも青白い光や白っぽい光の場合、 白熱電球のような暖色系の光と比べて、覚醒作用が強く睡眠の質が低下します。就寝時 には、必ずしも真っ暗にする必要はありませんが、自分が不安を感じない程度の暗さに することも大切です。
夜間の騒音は、暗く無音で過ごすなど感覚刺激が極端に少ない条件では、反対に覚醒 度が高まり、物音などの些細な刺激が気になったり、不安や緊張が高まることから注意 が必要です。気になる音はできる範囲で遮断する方がよいでしょう。
「良い睡眠で、からだもこころも健康に」
「睡眠指針」を読み返してみられてはいかがでしょうか。
三岡 千賀子