産業保健コラム
三岡 千賀子
所属:三岡千賀子社会保険労務士事務所
専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
春眠不覚暁 (春眠暁を覚えず)
2023年3月1日
「春眠不覚暁(春眠暁を覚えず)」は、中国唐代の詩人、孟浩然『春暁』の一節で、春の夜はまことに眠り心地がいいので、朝が来たことにも気付かず、つい寝過ごしてしまう。『春暁』は、鳥の声、春の嵐、嵐で散った花など心地よい春の朝の様子をうたっています。
現代の日本人の睡眠時間は諸外国と比較して短く、「6時間以上~7時間未満」(34.7%)が最も多く、次いで「5時間以上~6時間未満」(23.9%)、「7時間以上~8時間未満」(15.9%)の順となっており、男性に比べて女性の睡眠時間が短いことが特徴です(「令和3年度健康実態調査結果の報告」厚生労働省)。
睡眠時間のとれている度合いについては、「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」44.6%、「日中、眠気を感じた」37.2%、「睡眠全体の質に満足できなかった」34.7%、「起きようとする時刻よりも早く目が覚め、それ以上眠れなかった」29.7%、「寝付き(布団に入ってから眠るまでに要する時間)に、時間がかかった」28.9%など(同報告書)。布団に入ったらすぐに寝つけて、朝までぐっすり眠り、スッキリ目覚めるという理想とはかけ離れた結果となっています。
「1.良い睡眠で、からだもこころも健康に」
(「健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12箇条~」厚生労働省健康局)
睡眠時間の不足や睡眠の質の悪化は、生活習慣病のリスクにつながることがわかっています。また、不眠はうつ病などのこころの病につながることや、睡眠不足や睡眠障害による日中の眠気がヒューマンエラーに基づく事故につながることも明らかです。
寝る前に、ついスマホに触ってしまうことも睡眠の質を下げています。就寝前のメールやゲーム、テレビは控えて、規則正しい生活で心地良い春の朝を迎えましょう。
※健康づくりのための睡眠指針2014」厚生労働省健康局
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
三岡 千賀子