産業保健コラム
宮本 理惠子
所属:宮本社会保険労務士事務所
専門分野:社会保険労務士・産業カウンセラー
メンタル不調の方への家族の接し方
2016年7月1日
皆さま、心は健康でいらっしゃいますでしょうか。
配偶者やお子様、兄弟姉妹の方がメンタル不調になり、“どうしたら良い
かわからない。
今まで頑張ってきたのに、ちっともよくならないし、くたびれた”と叫び
たい方、もう一度初心に戻ってみませんか。
4月に友人に誘われ、知る人ぞ知る、高森信子さんの講演に行ってきま
した。
高森信子さんは、主に統合失症調の当事者や家族のためのSSTリーダーと
して活動中の方です。
SSTを正確に言うと、ソーシャル・スキルズ・トレーニング(SST;Social
Skills Training 社会生活技能訓練)
社会生活の技能を訓練しましょうということです。
パワフルな高森先生の講演に感動!! でした。
統合失調症だけではなく、うつ病などのメンタル不調を抱える方、いえい
えメンタル不調ではない方にも、家族の関わり方が大変重要なのです。そ
の本人を支える家族が病気を回復させていくのです。
“ そんなこと、わかっているよ ”というあなた、でも出来そうで出来ない
現実があるのではないでしょうか。
それは、家族が「巻き込まれ」てしまうからです。
本人も家族も早く治したいという気持ちは同じ、ここは一致しているので
すが、その後の治し方の方法が違うのです。
家族は、あなたの為なのよと、こうしたら~ああしたら~と、言うこと
を聞いて実行してほしいのです。でも本人は、この病気の辛さをわかって
欲しい、今の自分をわかって欲しいのです。この違いがある限り、病気回
復に向けての共同作業が一向に進まず、家族は巻き込まれ、トラブルの連
続となり病気は悪化していくのです。
では、どうしていくか、ポイント3つ
「相手の生活のしづらさをわかってあげる、今を認めてあげる」
・生活技術、対人関係の不得手
・就労能力不足
・安定性、持続性に乏しい
「相手の気持ちをわかるためのポイント」そう、ご存じの傾聴ですね。
・関心表明
・「の」の字の哲学
・話が具体的になる質問
・共感の言葉
・自分の考え
「お願い上手になろう」
・お願いがあるんだけど・・・。相手が無反応の場合は、また次にする
ねとお願いを止める。
・頼み方は、・・・・・してほしい。よりも・・・・してくれると嬉し
い、助かるわ。
・相手の都合を聞く・・どう?
・応じてくれたら、感謝する。
どうでしょうか。
この3つは、メンタル不調者と家族だけではなく、夫婦、恋人、友人、
上司部下の関係でも、このような関わり方は、人間関係を丸くし、互いに
心地よい環境を作っていくのではないでしょうか。
宮本 理惠子