産業保健コラム
和田 昌子
所属:メンタルリンクエイド
専門分野:産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
戦略
2015年11月2日
今年は、大手企業の就職活動解禁の繰り下げの影響か、中小企業の内定辞退者が相次いでいる。
行政・経済団体等が10月からも相次いで合同就職説明会を開いている。中小企業が採用に多くのエネルギーを費やし、この時期のドタキャンは物心両面、非常に辛い事態である。
そんな中で、人材の確保が難しい業界にあるにも関わらず、なんとか毎年人材を確保している企業は、どのような対策・戦略を持っているのか。
そこには、採用戦略、広報戦略、定着戦略がある。
たとえば、内定者及び家族にもいち早く、広報誌を送り、来年の春からの期待を伝えていく。また、内定者セミナーを開催し、内定者同士や、会社との絆を早くも繋ぎとめる努力をしている。
更には、その会社、事業所が地域・社会にどう貢献しているのかを広報するとともに、企業概要パンフレットだけでなく、その姿をわかりやすくイメージした採用パンフレットを作成している。採用のためのパンフレット、採用ホームページ、中には、中途採用者のための採用パンフレットも別に用意している。これは、大企業の話ではない。
また定着の為の対策はといえば、企業は、評価制度・教育・人材育成に力を入れる必要がある。しかし、なかなか費用が捻出できないという多くの企業も、応援してくれる助成金制度をご存知でしょうか?
例えば今年の春からの「企業内人材育成推進助成金」がある。この助成金申請の中で、問われることの一つに「企業理念」がある。隅々まで行き渡った社風や思いがあるにも関わらず、100年続いた由緒ある会社でも、文章にしようとした時、はたと立ち止まってしまう。
今、必要な企業戦略は、これら当たり前のことを見える化、思いをかたちにしていくことが重要である。
今回のストレスチェック義務化も、受け身ではなく、快適な職場づくりを実践していくかたちのひとつであるといえる。せっかくの機会をチャンスに変えるよう、今後のイメージも含めたご支援が出来ればと思っておりますので、気楽にお声掛けください。
和田 昌子