産業保健コラム

和田 昌子


所属:メンタルリンクエイド

専門分野:産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

憧れの只見線

2024年5月1日

「撮り鉄の聖地」といわれる只見線は、福島県会津若松市と新潟県魚沼市を結ぶ、全長およそ135キロのJR路線です。
東日本大震災と原発事故の発生からわずか4か月後、2011年7月の「新潟・福島豪雨」で鉄橋の流失など甚大な被害を受け、このまま廃止になるのではと危惧されました。元々の本数も、少ない区間では1日3往復しか列車がありません。利用客が少ないことに加え、豪雪地帯を走ることから、除雪費がかさむので赤字路線だったのです。そこにこの災難、もはや、これまでかといわれた、只見線でした。
そんな中、一時は路線存続の危機に瀕しましたが、地元住民や沿線自治体から存続への熱い思いが届き、奇跡の全線復活を2022年10月1日遂げました。 JR東日本は赤字覚悟の復旧決断とのことでした。

 

この感動のストーリーを知ってから、いつかは雪の只見線に乗りたいという私の夢は、今年の大雪の日に叶うこととなりました。雪の只見線に乗るため、前日から只見駅の民宿に泊まり、名物の鯉の甘煮を食べ、明日の朝一の列車を待つ。子供の時はわりと冷静なタイプだったのですが、ここにきて、明日が待ち遠しくて眠れません。朝も早く目覚め、大雪の景色の中、一歩一歩滑らないように駅まで、もうすぐ会える只見線。 朝一番の列車が只見駅で待っていました。列車内は、只見線ファンが多く、熱気と運命共同幸福感に包まれていました。車窓は、日本昔話のような雪景色、情熱の列車は静かに雪を巻き上げ走り進む。
夢のような時間は過ぎていき、会津若松へと到着。

 

昔、そうだ、京都に行こう!という宣伝がありましたが、そうだ、いつか、一人になっても、年老いても、また夢見る只見線に、乗りに行こう!どうかその時も、只見線が走っていますように。
頑張れ只見線!どちらかの命がつきるまで、夢は何度も。この歳で乗り鉄デビューした雪の只見線でした。

和田 昌子