産業保健コラム
埜村 順子
所属:株式会社ウェル・カム 代表
専門分野:正看護師・精神保健福祉士・産業カウンセラー・第一種衛生管理者・介護支援専門員
多職種連携の両立支援
2022年12月1日
コロナによる行動制限の解除とともに、京都にも外国人の観光客をはじめ、人の流れがかえってきました。少し前まで、二条城の駐車場も観光バスはほとんど見かけませんでしたが、数日前には、20台ほどが停まっており驚きました。
両立支援事業は、令和4年からは、病院で請求できる「療養就労両立支援指導料」の対象となる疾患に心疾患・糖尿病・若年性認知症が加わるなど、医療の分野にも理解が深まっているようです。企業内においても、産業医だけでなく、衛生管理者等も連携先として認められるなど範囲の拡大を感じられます。
京都産保センターにおいても南部の病院との随時開設相談窓口が増え、10月からは定期開設相談窓口として京都市立病院との契約が成立いたしました。少しずつ両立支援の輪が広がってきているようです。
先日も、退職しか考えていなかった方が、病院のワーカーさんとの連携で、無事復職することができました。会社も解雇が前提ではなく、初めてのケースでどのように対応すればよいかわからなかったという事例でした。双方にとって良いと思われる方法をいくつかお伝えし、復職プランを作成いたしました。
両立支援コーディネーター資格を取得された方の勉強会を開催しています。両立支援の経験のある方、人事・労務担当の方、カウンセラー、各種相談機関で窓口相談担当者、病院のワーカー、産業看護職、社会保険労務士などまさに多職種が集まった勉強会です。それぞれ専門性を持ち仕事をしている方々ばかりでしたが、他の専門職の見方や考え方を知る良い機会となったようで、両立支援を進めるうえで多職種連携によるチーム対応を学ぶ良い機会となりました。
コロナ禍ということで、在宅業務やオンラインでの仕事の幅が広がりました。敬遠するのではなく、両立支援のツールとしても、広がりのある復職プランを考えて参ります。多方面から、そして多職種連携を大切にして両立支援を進めていきます。
埜村 順子