産業保健コラム
埜村 順子
所属:株式会社ウェル・カム 代表
専門分野:正看護師・精神保健福祉士・産業カウンセラー・第一種衛生管理者・介護支援専門員
メンタル疾患の両立支援
2025年1月6日
「治療と仕事の両立支援」が始まり、両立支援コーディネーターも毎年たくさんの方が資格取得をされています。だんだんと「両立支援」という言葉が産業保健の場でも浸透してきたように感じます。2024年から産業保健総合支援センターでの両立支援事業も大きな変化がありそれまでは対象ではなかった「メンタル疾患」も対応することが可能になりました。今までの「両立支援促進員」も「メンタルヘルス対策・両立支援促進員」と名前が変わり、メンタルヘルスについても「個別訪問支援」「個別調整支援(事業場並びにご本人の同意が必要)」が会社に実際にお伺いして相談を受けることができるようになりました。
平成16年に「心の問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が事業所向けマニュアルとして出されていますが、実際にそれを活用し職場復帰支援プログラムを作成するのはなかなか難しいという声をよく聞きます。当初のうつ病だけでなく、自閉症スペクトラム障害等疾患も加わり症状も多岐にわたります。経験豊富な「メンタルヘルス対策・両立支援促進員」にご相談ください
両立支援コーディネーター基礎研修も今までの「がん」や「脳卒中」だけでなく「メンタルヘルス疾患」も取り上げています。両立支援コーディネーターは、働く人(患者)が治療と仕事の両立を図るために、働く人(患者)・家族、主治医、企業の間を取り持ち、必要な支援をコーディネートする人材のことを指します。今後もたくさんの方に研修を受けてもらい産業現場で活躍していただきたいと考えます。
医療現場との連携も進んでいます。治療開始時から仕事との両立が自然に考えられるのが、望ましいと考えます。診療報酬が使える幅も広がっています。医療職をはじめ福祉職など多職種連携が大切です。第一歩として「京都産業保健総合支援センター」を活用していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
埜村 順子