産業保健コラム
埜村 順子
所属:株式会社ウェル・カム 代表
専門分野:正看護師・精神保健福祉士・産業カウンセラー・第一種衛生管理者・介護支援専門員
治療と仕事の両立支援
2019年4月1日
両立支援のピンクのガイドラインが厚生労働省から公表されたのが3年
前、徐々に世間にも認知され、企業をはじめ、個人からの相談も増えてき
ました。
平成29年度に「がん診療連携拠点病院」である京都大学医学部附属病院
と京都府立医科大学附属病院に、月に1回の出張相談窓口を、また今年1
月から南部の宇治徳洲会病院に随時相談窓口を開設することができました。
さらに4月からは北部の市立福知山市民病院、京都市立病院、京都医療
センターに、随時相談窓口をオープンします。
京都府地域両立支援推進チーム(オール京都)としての活動も、若年性認
知症支援チームなどと連携をとり、がんだけでなく治療を受けている方の
両立支援を展開しています。ハローワークの相談員とも、在職中で就業
継続を考えている方に、当センターへの相談を勧めて頂くなど、しっかり
関係性が築けています。
医療機関・企業・社労士会といろいろなところからの研修依頼も増えて
います。まずは「両立支援」を認知していただくよい機会です。
企業からの相談も増え、復職する際の配慮についてなどの個別事例を
はじめ、就業規則の変更など相談内容が多岐にわたります。
個人からの相談では、会社への情報伝達の方法を一緒に考える事から始
めています。その結果、在宅勤務が認められた方や、職種変更により条件
が良くなった方もいます。退職を考えていたが現職に週2回復帰すること
から始めたというケースもありました。もちろん退職・転職も大切な選択
肢ですが、まずは復職を検討するところから支援を開始しています。
当センターの両立支援事業では対象外となりますが「両立支援」の研修
がきっかけで、京都府では「不妊治療と仕事の両立支援」という事業が昨
年10月より始まりました。相談件数の伸びをみると、「両立支援」のニー
ズはいろいろな場面で必要であると感じています。
当センターも医療に強い常勤の保健師が加わり、今まで以上にタイム
リーに対応できる体制が整いました。まずは「両立支援」・・当センター
にお電話ください。「無料」でございます。どうぞよろしくお願いいたし
ます。
埜村 順子