産業保健コラム

櫻木 園子


所属:(一財)京都工場保健会 産業保健推進部 医療次長

専門分野:産業医学

新任ご挨拶

2018年7月2日

 この度、産業医学相談員に任ぜられました。皆さまにごあいさつ申し上
げます。
 私は産業医科大学を卒業後、京都工場保健会に入職し、京都府立医科大
学第三内科(当時)に入局し、京都府立医科大学附属病院、福知山市民病院
で臨床研修を行いました。
卒後4年目からは京都工場保健会で嘱託産業医を中心に業務を行っており
ます。
20076月から1年間は産業医科大学産業医実務研修センターで修練医の指
導などを行いました。その後京都工場保健会に復帰して現在に至ります。

 

 嘱託産業医として様々な業種の事業場を訪問する中で、企業風土の違い
を興味深く感じながら、その事業場で受け入れられる(対応可能な)助言を
行いたいと思っています。それでも時折、「厳しい」と評価されてしまい
ます。事業場に寄り添える産業医が理想ですが、なかなか道は遠いです。

 

 産業医は、労働者の健康を守ることを大前提として、目の前の相談者だ
けでなく、その方に関わる上司、同僚、人事・労務担当者にも配慮しなけ
ればいけないと考えています。一言でいえばバランス、ということになる
のですが、どこでバランスが取れるのか、事業場によっても、また、当事
者の抱える困難(病気や性格、家庭環境なども含めて)によってもそのバラ
ンスの取れる点は違うので、毎回探り探り、です。自分の判断が正しいの
かどうか、不安になることもあります。そのような時、同僚と話をするこ
とで「自分の判断はそう間違ってはいなかった」と安心できることが多々
あります。
産業医の業務は数値で結果が出るものではないので、そのような話ができ
るネットワークがとても大切だと思います。そのために、当センターの産
業医研修が活用されることを願っています。

 

 皆さまとお会いするのは産業医研修が中心になると思います。少しでも
皆様のお役に立てるよう励みますのでどうぞよろしくお願いいたします

 

櫻木 園子